はじめに
60歳までのキャッシュフローを試算してみよう
投資資産も多くお持ちであるため、資産全体だけでなく、すぐに使える現預金がどのくらいあるかも合わせて、試算しました。
現在は、年146万円の貯金、そしてつみたてNISAを年40万円、お子様用に積立投資信託を年24万円、2023年まで新規投資できるジュニアNISAに年80万円、あわせて290万円の貯蓄&投資をされています。この金額は、なんと手取り収入の37%! その他にも学資保険や低解約返戻型の死亡保険にも入っています。万が一のことがなければ、死亡保険の解約返戻金は、老後資産として頼りになりますね。支出も抑えていることもあり、しっかり資産形成できており、私立に行ったとしても全く問題ないでしょう。
運用の成績次第ではさらに資産が増える可能性も
ちなみに本試算では、平均的な私立進学費用に、中高時代は毎年50万円、大学時代は仕送りを想定して毎年90万円を上乗せして試算しています(小4~6年は塾代として現状より年20万円上乗せ)。それもあり、9年後お子様が大学に入学する年だけ、赤字予想となっていますが、現預金の金額も約2,000万円あるため、問題ありません。
また、グラフの灰色の線(資産総額)と黄色の線(現預金総額)の差が、投資に振り向けている元本総額となります。運用状況によっては、資産はさらに大きくなり、年利回り2%で増えたと仮定すると、60歳時の投資資産は、今よりも500万円近く増える可能性があります。
減収した場合はどうなる?
先ほどの試算は、ご相談者様が今後も今と同じ水準で収入を得られるとした場合です。もし、病気などなんらかの理由で収入が減ってしまった場合も、見ておくと安心でしょう。他の条件を一切変えずに、お子様が中学生にあがる年から、手取り年収が今の4割減(430万)となり60歳まで続いた場合は、60歳までの資産推移は以下となります。
灰色の線のとおり、資産総額が底をつくことはないためご安心ください。ただし、お子様が大学に入る時に黄色の線である現預金は底をつきます。つみたてNISAやお子様の積立投資、ジュニアNISA等を売却することで、資金を捻出することはできますが、やはり減収した場合は、早いうちに資産の中の運用比率を下げ、現預金をできるだけ減らさないようにする意識が大切でしょう。また、その場合は、月9万円と家計支出を圧迫している死亡保険を見直し、少しでも赤字幅を減らしましょう。どのように見直せるか、次の項目で説明します。