はじめに

年金改定ルール3:マクロ経済スライド

年金制度は、超少子高齢化が進むにつれて、現役世代の負担が重くなることが心配されています。マクロ経済スライドは、将来の現役世代の負担が大きくなりすぎないよう、「最終的な負担=保険料の水準」を決めておき、保険料などの収入と年金の給付水準を調整するものとして、2004年の年金制度改正で導入されました。

マクロ経済スライドによる調整を計画的に行うことで、将来の年金の給付水準を確保することにつながります。大まかに言うと、年金額を毎年すこしずつ下げていく計画なのですが、5年に一度の財政検証で、その後のマクロ経済スライドによる調整が必要かどうか検証されます。

2022年度は、以下の計算により-0.2%でした。
2018~2020年度の公的年金被保険者数の変動率(0.1%)+平均余命の伸び率(-0.3%)

そこに、2021年度からの繰り越しが-0.1%あるので、合計で-0.3%なのですが、賃金・物価スライドでマイナス改定があった場合には、マクロ経済スライドは行われません。

以上の通り、公的年金は、現役世代の収入に応じた「賃金スライド」、物価の変動に応じた「物価スライド」、年金財政に応じた「マクロ経済スライド」によって改定されます。

賃金スライドがマイナスの場合には、物価スライド・マクロ経済スライドに優先して適用されるので、2022年度の年金額は、賃金スライドの-0.4%が適用とわかりました。

このことから、現役世代の賃金が上がったり、景気がよくなって物価が上がったり、経済状況がよくなってくると、公的年金額も上がるということです。

人手が少なくなっても収入が減らないような生産性向上、景気上昇の指標でもある緩やかな物価上昇、経済活性化にもつながる投資など、さまざまなことが将来の年金として自分に返ってくるのではないでしょうか。

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