はじめに

賃貸で住み続ける?マンションを買う?

相談者様のライフプランのなかで、マイホーム資金と高齢者施設への入所費用という2つの大きな決断があります。

まず、今まで通り70歳まで20年間、賃貸で暮らしていくと、現在の賃貸料の6万7,000円が維持されていくと仮定した場合、年間で80万4,000円。20年間で1,608万円かかる計算になります。

現在、どのような中古マンションが販売されているのかを調べてみました。都下で1Kなら500万円を切った物件はありますが、通勤に不便になることは間違いありません。23区内にも1,000万円を切る物件はあるのですが、専有面積20平米前後と手狭になってしまいます。

たとえば23区西部エリアに築34年の物件の場合です。1 K、専有面積16.8平米、駅近でありながら、管理費と修繕積立金を合わせ1万3,000円程度、物件価格750万円でした。管理費と修繕積立金がこのまま上昇しない場合には、312万円かかります。その他にも固定資産税がかかりますが、購入費と諸費用をあわせても、購入したほうが費用はかからないでしょう。

ただし、購入した物件をそのまま維持する場合は、管理費と修繕積立金および固定資産税がかかってしまいます。また、売却する場合は、その時点で築年数は50年を超えてしまいますので、マイナスにならなければよし、と考えておくといいでしょう。

※参考:固定金利1.60%、借入期間15年、借入金600万円の場合、毎月の返済額3万7,515円、年間の返済額45万180円、総返済額675万2,700円 。諸費用約23万円。

物件の価格が600万円程度なら購入計画は成り立つ

物件に関する希望は分からなかったため、筆者が探した物件を例に比べていますが、購入する場合は、どこで、どのような物件に住みたいのかによって、購入費用は変わってきます。必ず、実際の物件で比較するようにしてください。

ここで取り上げた物件であれば、購入したほうが支払いコストは少なく済みます。また、駅近のため、築年数を重ねたとしても、入居者は見つかる可能性は高くなりますので、賃貸に回して収入を得るという方法も考えられるでしょう。ただし、賃料として得られるのは、毎年の諸費用が賄える程度の可能性が高く、賃貸収入を期待するのは、やめたほうがいいでしょう。

実際に、ここで取り上げた物件よりも価格の安い物件はありましたし、新たにお眼鏡にかなう物件が販売になるかもしれません。

かかるコストのみを考えれば、マンションを購入したほうが費用を抑えられる可能性はあります。ローンを600万円程度までに抑えられるなら、資金計画は成り立ちます。

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