はじめに

iDeCoに加入している場合は、ふるさと納税の控除上限額はどう変わる?

筆者の元に来る質問で多いのが、「iDeCoとふるさと納税を併用すると損か」です。結論としては、ふるさと納税の控除上限額が変わるものの、損にはなりません。むしろ併用した方が良いです。

iDeCoは掛金の全額が所得控除になりますので、毎年の所得税や住民税まで安くできる制度です。つまり、課税所得が減るので、ふるさと納税で差し引ける金額が減ってしまうのです。

ここで、冒頭に話したことを思い出してほしいのですが、ふるさと納税は正確には節税ではありません。住民税の移し替えです。もちろん、返礼品の金額が減ってしまうので、「ふるさと納税」単体で見てしまうと損にはなりますが、「iDeCoとふるさと納税」を合わせた全体ではiDeCoの分税金が減っていますので、確実にお得です。

参考までに、iDeCoに加入した場合に、ふるさと納税の控除上限額がどう変わるのか試算した結果を掲載します。

(株)Money&You作成
計算前提は次のとおり:所得控除は基礎控除と社会保険料控除。iDeCoに加入した場合は小規模企業共済等掛金控除。社会保険料控除は、東京・35歳の料率で計算。雇用保険料も勘案

年収500万円の人がiDeCoに月1万2,000円加入している場合、ふるさと納税の控除上限額は5万7,000円です。iDeCoに加入しない場合は、6万2,000円だったのが5,000円少なくなったということです。ただし、iDeCoに加入したことで、所得税(10%)・住民税(10%)合わせて年2万8,800円が毎年節税になります。

iDeCoで月1万2,000円を年3%で運用できた場合、30年後は699万円になります。iDeCoでは運用中の利益は非課税です。将来の老後資産を築きつつ、節税までできる本制度はやらなきゃ損する制度と言えます。

なお、2022年5月から、厚生年金に加入していれば、65歳まで加入できるようになります。

「iDeCoとふるさと納税を併用すると損か」で悩んでいる人は、ぜひすぐにでも両方の制度に取り組みましょう。

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