はじめに

相続の話になったら節税対策も忘れずに

とはいえ、両親ともに健在だと話題にするのが難しい相続の話。どう切り出したらよいのでしょうか。

「両親が元気なうちに家族間で円満に話し合いをしておきたいというスタンスで、話し合いの場を設けるのがよいと思います。たとえば、将来、相続税がどれだけかかるのか不安に思っていることを伝えたり、相続人が複数の場合には家族間で揉め事を起こしたくないので、財産分与に関して両親の考えを聞きたいと切り出してみてはいかがでしょうか」

またその際に併せて話し合っておきたいのが相続税対策について。生前に対策を講じることで大幅に節税できる可能性があります。その方法について中川さんに聞きました。

「たとえば、贈与を使った対策であれば、年間110万円までの基礎控除内での贈与や、基礎控除が2,500万円まで拡大される相続時精算課税制度、住宅取得等資金贈与や教育資金の一括贈与が有効です」。また生命保険の活用もおすすめだといいます。「保険金は相続人1人当たり500万円まで相続税が課税されないので、その非課税枠分の保険に加入するのも効果的です」。

もし不動産を所有しているなら、「小規模宅地等の特例の条件を整えておくことも非常に重要です」と中川さん。「一定の条件で土地の相続評価額を最大80%減額できるため、節税対策には欠かせません」。

「まだ大丈夫」と、つい後回しにしがちな相続の話。やっておけばと後悔しないように、今のうちから家族で話し合ってみてはいかがでしょうか。

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