はじめに
親の金融資産を把握していないとどうなるのか
同アンケートでは、「事前にやっておいてよかったことがあるか」についても聞いています。全体の26.3%が「ある」と回答。
その内容について聞くと、「公正証書遺言があったので遺産分割がわりとスムーズに進んだ(50代・女性)」「生前贈与をしてもらっていたが、これについては相続税がかからなかったので、大幅に節税できたと思う(50代・男性)」「親との相談で書類関係・預金関係のリストを作ることができたこと(70代・男性)」と、やっておけばよかったと後悔している人が挙げた内容と同様の結果となりました。
万が一、相続の準備を何もせずに親が他界してしまい、金融資産を把握できない状況に陥ってしまったらどうしたらいいのでしょうか。また、残されたその資産はどうなってしまうのでしょうか。相続税に詳しい税理士・中川義敬さんに聞きました。
「財産調査によって、預貯金であれば金融機関に照会をかけ、株式や債券などは証券保管振替機構(通称:ほふり)に情報開示請求することで、金融資産はおおむね発見できます。ですが、それでも見つけられなかった場合には、残念ながら永久に塩漬け状態となり、相続人の財産にはなりません」。そういったことにならないように、生前に遺言書を作成したり、遺産整理をしておく必要があるといいます。