はじめに
基礎年金だけ繰下げ受給をすると「加給年金」は受け取れる
大変重要なことは、夫が繰下げ受給をすると加給年金も停止になります。加給年金は繰下げ受給ができないので、そのまま消えてしまうのです。
しかし加給年金に関係するのは、厚生年金だけです。基礎年金は関係ありませんから、基礎年金だけを繰下げて厚生年金を65歳で受け取ると加給年金も受け取ることができます。
相談者の例では、厚生年金を繰り下げて基礎年金を受け取っています。これでは丸損です。しかし一度年金を受け取ってしまうと変更ができません。この場合は、厚生年金を65歳からの分を一括で受け取ることにすると、加給年金も合わせて受け取ることができます。年金の時効は5年なので、5年以内なら大丈夫です。
年齢差が少ない場合は、年金の繰下げ受給が得になる場合も
では、「加給年金を受け取る人は基礎年金を繰り下げて、厚生年金は繰り下げないのがもっともいい方法になるのか?」というと、一概に正解とは言えません。
配偶者が12歳とか15歳などの年齢差があるときには、加給年金を受け取った方が得になることが多いです。しかし、年齢差が1〜5歳などの場合は、基礎年金、厚生年金の両方を繰り下げた方が得になることもあります。
加給年金の金額は約39万円ですが、厚生年金の受取額によって繰下げ受給をした方が総額が多くなることがあるからです。年金受給額が180万円の場合、基礎年金と厚生年金の両方を繰下げ受給をすると81歳から得になります。
これは年齢差、厚生年金の受給額によって異なりますので、気になる人は計算をしてみてください。
年金の請求の手続きというのはかなり面倒で、筆者も面倒だと思ってしまう内容です。しかし請求漏れをしてしまうと大きな損につながります。しっかり間違えないように請求してください!