はじめに
本当に「無料が得」なのか
費用のかかるものを手放す、利用の仕方を見直すという支出のカットの仕方は賛成ですが、夫の言う「無料が得」「塾代はもったいない」という、先を見ない節約の方法は、この先の失敗につながらないのか心配な気もします。
相談者様が言うように、無料の生命保険相談では販売側に有利なように手数料が高いものを提示優先されたりするケースもありますし、不要な保障を勧められ、保険料が上がってしまう可能性もあるでしょう。必要以上の保障分の保険料は毎月少額でも、長い目で見るとお金の払い過ぎになるかもしれません。
また、お子さんの塾などについては、小学1年生ではまだ早いという考え方もあるでしょうし、まずは学校で基礎を、と夫が考えているのなら、今は検討すべき時ではないと判断できますが、「お金がないから」という理由は、少し違いますよね。
夫は、単に表面に見える損得だけで判断しているようにも感じますが、いろいろ考えているのに説明が面倒で「お金がない」で済ませているのかもしれません。
一度、相談者様が考える支出の必要性と、夫が思っている支出が不要な理由を、しっかりと話し合ってみてはいかがでしょうか。意見のすり合わせができ、納得できることが増えるかもしれません。
固定費はしっかり削減、変動費はその次
夫が節約、節約というのなら、まずは固定費をしっかり節約するように検討していきましょう。変動費はその次です。変動費を頑張りすぎると、生活が窮屈で貧しい気持ちになってしまうことが多いからです。おいしいものを食べて「明日も頑張ろう」と思えることもありますし、しっかりコントロールして、楽しみながらお金を使えるようにしていきたいものです。
とはいえ、今もかなり節約されていますから、見直しどころと言えば、生命保険料と通信費、特にスマートフォンの利用料でしょう。よく使う部屋の電球をLEDにしたり、節水シャワーヘッドを利用して自然に水道光熱費を下げる工夫をされてもよいと思います。
私たちは日々生きており、やはり楽しみや充実感というものがなければ、「何のために働いているんだ……」と疑問を持つこともあるかもしれません。節約は単に支出を下げるのではなく、必要な部分はしっかり払いつつ、不要な支出はカットするのが上手くいくコツ。状況によっては掛けたいところに回しましょう。支出のメリハリをつけるほうが、長続きしますし、苦痛も少ないのです。それでも、どうしても収入が足りないというのであれば、相談者様が少し働いて補うなど、取れる策はいろいろあると思います。「節約はこうするしかない」という夫の思い込みを少し柔らかくするために、ぜひ、話し合ってみてください。