はじめに
下げ相場に備えてメンタル対策を
いくら頭で「下げ相場が積立投資に有利」だと理解していても、実際にどんどん減っていく自分の資産を目にするのは精神的にきついものです。そのため、下げ相場に備えてメンタル対策を講じておきましょう。
・投資のことは一旦忘れてしまう
下げ相場の時期は、意識して資産評価額を見ないようにするのがおすすめです。投資をしていることを忘れて過ごしても良いくらいです。
積立投資のメリットは、手間がかからないことも挙げられます。自動で積立投資をする設定にしておけば、証券会社のマイページにログインして買い注文をする必要がありません。投資のことはいったん忘れて、日々の家事や仕事、趣味などに打ち込んでいれば、相場の上げ下げに一喜一憂せずに過ごせます。
・売りにくい仕組みで買っておく
下げ相場に負けずに積立投資を続けるには、税制優遇制度を活用して、できるだけ売りにくい環境を整えておくことが大切です。具体的には、つみたてNISAとiDeCo(個人型確定拠出年金)などがおすすめです。
iDeCoは原則60歳まで資金を引き出せないので、自然と「相場がどんなでも、60歳まで運用を続けるしかない」となりやすいです。また、つみたてNISAはいつでも売却が可能ではありますが、利益が出ていないと制度の恩恵は得られません。「今売ったら、非課税枠を無駄にしてしまう」という意識を持ちやすいので、下げ相場でも売却しにくくなることが期待できます。
投資資金は「使う時期」が最も大事!
積立投資をする際に最も大切なことは、「投資に回した資金をいつ使うのか」を明確にしておくことです。
・下げ相場で使う時期が来てしまうと…
もし下げ相場の途中に子どもの進学やマイホーム購入などで運用中の資産を売却する必要が出てくると、損失を確定せざるを得なくなります。積立投資がいくら下げ相場に強いといっても、最終的には相場が上がってくれないと、利益を得ることはできません。いつ相場が回復し始めるかはわかりませんので、少なくとも数年以内に使う資金については投資に回さず、預貯金で確保しておくのが安心です。
・上げ相場の最中に利益確定しておこう
下げ相場が終わって市場が回復期になったら、利益を確定するチャンスになります。投資に回していた資金を使う時期が数年後に迫っていたら、相場が良いときに利益を確定しておくのが安心です。または、保有する商品を株式中心から債券中心に変えるなど、リスクの低い資産配分に変更するのも有効です。
積立投資を無理なく続けるためには、自分のライフプランに合わせて投資をする時期や金額を決めてから投資を始めることが重要なのです。そして、積立投資の運用中は、「下げ相場は継続(または追加投資)のチャンス!」「上げ相場は利益確定(またはリアロケーション)のチャンス」ということを覚えておきましょう。