はじめに
出産時に活用したい国のサポート3つ
1.出産育児一時金
正常分娩には健康保険が適用されないものの、出産をすると健康保険から「出産育児一時金」が支給されます。金額は子ども1人につき42万円が原則。産科医療補償制度に加入していない医療機関で出産した場合や妊娠22週未満で出産した場合には、子ども1人につき40万4,000円が支給されます。CHECK::ちなみに出産育児一時金は「子ども1人当たり」の定額制度。つまり、双子など多産の場合は人数分支給されるので助かりますね。
2.出産育児一時金直接支払制度
出産育児一時金で42万円もらえれば、正常分娩にかかる費用をほぼカバーできそうで経済的にも助かります。しかし、給付金が受け取れるまでにはタイムラグがあります。家計によっては、数十万円のお金をいったん窓口で立て替えるのは大変かもしれません。このようなときに利用したいのが「出産育児一時金直接支払制度」。出産育児一時金を後から自分で受け取るのではなく、医療機関に直接支払ってもらう制度です。分娩をする医療機関で直接支払制度に関する書類にサインすれば、その後の申請手続きや受け取りはすべて医療機関が行ってくれるので便利です。
小規模な医療機関など直接支払制度の取扱いがない場合は、「受取代理制度」を利用できます。妊婦本人が健康保険に申請書を提出する必要がありますが、一時金の支給は「直接支払制度」同様に健康保険から医療機関に直接支払われます。これなら多額のお金を用意せずに済みますね。
3.出産費貸付制度
何らかの事情で「直接支払制度」や「受取代理制度」を利用せず、出産に要する費用が必要な場合には、出産育児一時金が支給されるまでの間、健康保険から無利子でお金を借りることができます。これを「出産費貸付制度」といいます。貸付を受けるための条件は、健康保険に加入していること、出産予定日まで1ヶ月以内であること、妊娠4ヶ月以上であること。条件を満たせば出産育児一時金の8割まで借りることができます。申請は自分が加入している健康保険に対して行います。