はじめに
お世話になっている人からの誘いの断り方
あなたは、親しい取引先の担当者から「○○イベントに参加しませんか?」とお誘いを受けましたが、断ろうと考えています。そんな時、どんなメールを書きますか?
【原文】
○○イベントにお誘いいただき、ありがとうございます。
11日ですが、まだ予定が見えません。
スケジュールが見えた段階で、改めてご連絡いたします。
【改善文】
○○イベントにお誘いをいただき、ありがとうございます。
あいにくその日は所用があり、参加がかないません。
またの機会にお誘いいただけますと嬉しいです。
参加する気がないにもかかわらず、原文のような返信をしているとしたらアウトです。思わせぶりな「先延ばし」は相手に迷惑をかけてしまいます。
もちろん、ストレートに「参加しません」と伝えればいいということではありません。改善文で示した「あいにくその日は所用があり〜」のように、相手が納得しやすい理由を添えましょう。「あいにくその日はすでに予定が入っており〜」のようなフレーズでもいいでしょう。
また、「参加できません」は「参加がかないません」と書くことで印象がソフトになります。あなたが今後もお誘いを受けたいようなら、「またの機会にお誘いいただけますと嬉しいです」「これに懲りず、またお誘いいただけますと幸いです」のような言葉で結びましょう。
自分のミスを上司へ報告するときの伝え方
次はミスの隠蔽例です。あなたのミスによって、クライアントのAさんからクレームを受けました。あなたは、その一部始終を上司にメールで報告しなければいけません。
【原文】
先ほど井上さんから○○の件で、お問い合わせをいただきました。
少し行き違いがあり、誤解が生じたものと思われます。
明日電話を入れて、もう少し詳しく話を聞いてみます。
【改善文】
先ほどBさんから○○の件でお叱りを受けました。
わたしの伝え方が悪く、□□について△△という誤解を与えておりました。
すぐにお詫びし、現在、対応策として◇◇を進めております。
完全にわたしのミスです。申し訳ございません。
「責任逃れ」しようとしている原文に対し、改善文では自分の非を認めたうえで、対応策を進めている旨を伝えています。自分のミスを隠さず、スピーディに報告できる人は、相手や周囲から信用を得やすくなります。まさしく「ピンチはチャンス」です。
「言いにくいこと」を言わずにいた場合、「バレたらどうしよう……」とハラハラすることになります。これは精神衛生上も最悪で、仕事への集中力も削がれます。もちろん、状況を放置すれば大問題に発展することもあります。
人を巻き込んでのは「先延ばし」は、大きなトラブルを誘発するリスクも秘めています。身に覚えのある方は注意しましょう。
そもそも文章ってどう書けばいいんですか? 山口拓朗 著
「文章を書くことがストレス」「書くのに時間がかかりすぎる」「そもそも頭のなかにあることを文章にできない」……本書はそうした「文章アレルギー」のある人たちに、マンガを織り交ぜながら、わかりやすく文章の書き方をレクチャーしていきます。