はじめに

35歳で正社員になった場合

現状のままだと、かなり厳しい老後生活が待っているというのが想像できます。どうすればいいのでしょうか? 

非正規雇用で、給与が少ないことに大きな問題があります。貯蓄もできませんし、結果、年金だって受給額が少なくなります。「どうせ無理」とあきらめずに、まず正社員を目指してみましょう。

10年以上非正規雇用だとしても、ずっと働いて、スキルを身につけているはずです。10年以上のスキルを持っているのは、強みです。たとえいまの会社がダメでも、あなたを認めてくれる企業もあるはずです。諦めない心でトライしてみてください。

ここでは、キャリアアップした場合をシミュレーションしてみます。

例えば、35歳で正社員になって月収30万円で働くようになったと想定しました。

60歳から70歳までは再雇用として月額15万円で働いたとします。70歳まで働くので、その間は、年金を受け取らずに、繰下げ受給をします。そうすると70歳からの年金受給額は17万7,000円になります。

単身者の1ヵ月の平均生活費は約15万円(厚生労働省「家計調査」2019年)なので、約3万の黒字になるということです。

賢く相談して、制度を上手く使ってスキルアップを

ここで、「まずは正社員を目指しましょう」と、提案しましたが、現実的にハードルが高いかも知れません。かといって、そのままだと将来困るというのは、ほぼ間違いないでしょう。そこで、スキルアップの方法として、資格や研修期間を利用する手もあります。

職業相談や就職支援も、ハローワークに相談をしてみるなどもしてみてください。全国には「わかものハローワーク」「わかもの支援コーナー」「わかもの支援窓口」などが設置されています。

また、非正規雇用でも雇用保険には加入しているはずですから、雇用保険の教育訓練給付制度を利用する方法もあります。資格などを取るために、講座の受講料の一部を教育訓練給付金として支給されます。一般教育訓練は20%、特定一般教育訓練は40%、専門実践教育訓練は50%支給されます。これらの制度を使って、キャリアアップにチャレンジしてみてください。

ここで使った例は、正社員にキャリアアップするためですが、フリーランスとして独立するといった方法もあります。

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