はじめに
追納できなかった場合に年金を増やす方法
国民年金保険料が10年間は追納できるとはいえ、まだまだ収入が低い20代の頃には過去の保険料を支払うまでの余裕がないこともあるでしょう。支払う気持ちはあっても、気づいたときには追納できる期間が過ぎていたということもあり得ます。もし、追納ができなかった場合に受給年金額を満額にするためには、任意加入制度を利用することになります。
任意加入制度は、60歳までに老齢基礎年金の受給資格期間を満たしていない場合や、未納や免除期間がある場合には、自分で申請して60歳から65歳未満の5年間に国民年金保険料を納めることで老齢基礎年金を増やせる制度です。
厚生年金に加入していないときは、60歳以降でも申し出をした月以降でも、任意で加入することができます。未納期間や免除期間を埋めて年金額を増やしたい場合には65歳までの間、受給資格期間を満たしていない人は最大70歳まで加入できます。
年金の受給開始は原則65歳からですが、年金を繰り上げ受給している場合には、任意加入制度は利用できません。さかのぼって加入できないので、注意しましょう。
また、60歳以降も働いて厚生年金に加入している場合には、勤務先が給料から保険料を納めているので、学生納付特例の期間の追納ができなかったとしても老齢基礎年金の積み増しができていることになります。
平均寿命が年々延びていることもあって、定年後の過ごし方や年金の受け取り方も選択肢が増えてきました。年金の制度は改正がたびたび行われますし、就労環境の変化でライフプランにも影響が出ることもあるでしょう。年金制度は、自分で請求や申請をするものが数多くあります。知らないために損をしないよう、わからないことや困ったことがあるときの相談先や調べる方法などを確認しておきましょう。