はじめに
支出を見直すとともに、収入の基盤をしっかりと
家計改善のためにすべきことは、「収入を増やす」「支出をコントロールして減らす」の2つ。これらに取り組み、しばらく使う予定のないお金が貯まってきたら、「運用する」も検討していきます。しかし今は貯金額も多くはないですし、まずは収入と支出の改善に取り組みましょう。
支出を拝見すると、支出のボリュームは極端に大きくはないのに、慢性的な赤字家計となっています。収入を増やすために、勤務時間を増やす、転職をする、副業をするなど、実行可能な方法を考えてみましょう。
また、支出については、さらに支出を減らせる部分がないか、見直しをしてみましょう。今のままだと、毎月補てんが必要なのにボーナスがないので、貯金を切り崩して埋めるしかありません。貯金が少しずつ目減りして、やがてなくなっていくのは時間の問題です。つまり家計は危機的状況にあるといえます。
もし、夫が働き方を変えると、社会保障に加入できるかもしれません。そうなれば、家計から国民健康保険料、国民年金保険料を持ち出さなくて済みます。
しかも、会社の健康保険や厚生年金に加入すると、傷病手当金や遺族厚生年金、障害厚生年金といった保障が得られますので、生命保険で必要とする保障の内容も変わってくるかもしれません。結果、保険料の負担を下げられる可能性も出てきます。
これから教育資金や老後資金というお金も必要になりますから、収入を増やし、ご夫婦ともに社会保障も得ながら、支出を少し下げることができれば、家計状況はかなり変わって来るでしょう。これまでも十分話し合われたかもしれませんが、働き方や収入額について、夫と今一度話し合ってみてもよいでしょう。
支出をどう減らすか
よく節約されている家計ですので、さらに支出を減らすポイントを見つけるのは難しいですが、強いて言えば、各費目を数百円、数千円等と、少しずつ減らすことならできるかもしれません。
そのほかでは、前述したように、社会保障費を減らすことも考えられます。いまは相談者様が会社の健康保険、厚生年金に加入しているのではないかと思うのですが、夫が社会保障に入れない状況なのであれば、お子様と一緒に相談者様の社会保障の扶養に入ることも検討できます。社会保障の扶養に入るには、年収130万円以下という条件がありますが、この条件を満たしているのなら、相談者様のパート先に加入の手続きを頼んでみてはいかがでしょうか。
また、できれば借入金は早めに完済したいもの。借入金の返済と国年・国保の負担がなくなれば、家計は収支トントンに近づきます。遺産を受け取った後に、遺産を食いつぶすような生活にならないよう、支出はしっかりコントロールしましょう。