はじめに

「借金、ダメ、絶対」という常識から抜け出せ

夢を実現させるために、お金は頼れる大きな存在です。けれど、日本の風土では借金ダメ、投資も危険ということになっていますよね。よくビジネス書なんかにも「まずは貯金してから無借金で事業を始めましょう」と書かれています。

それも一理あるとは思いますが、今の社会のスピード感だと、現時点で成功するアイディアでも、十年後には古くなって、幸運のしっぽが逃げちゃっている可能性も高い。どうしても「今、これがウケる」「今、これがやりたい」と思った時は、それをプレゼンテーションして、お金を借り入れることはすごく真っ当な方法です。

投資に関しては、私が劇的に面白いなと思ったエピソードがあります。

友達にアムステルダム在住のアーティスト夫婦がいるんですが、夫は ミュージシャン活動のかたわら、コマーシャル音楽とかファッションショーの音楽を作っていて、ある年大きいクライアントの依頼があって、一気にお金を稼ぎました。そのお金を頭金にしてベルリンの目抜き通りにあるデカいマンションのワンフロアを買った。

ところが何年かした時に、そのマンションを売ったというのです。どうしたのかと思ったら、夫の方がなんと、ミュージシャン活動は休止しての絵描き宣言。当然お金は入らなくなりますから、ローンは払えなくなるし、ベルリンの地価が値上がりしていたこともあって、「売り時だ」って、売り払っちゃった。彼らは今アムステルダムに戻っているんですが、2~3年は絵を描いてられるくらいのお金をそのマンション転売で儲けたんだと思いますよ。劇的でしょ?

私がショックを覚えたのは、とくに資産運用みたいな勉強をやっていない、きままなアーティストライフを送っている彼らが、それほどのダイナミックなお金との付き合い方ができるっていうことだったんですね。「絵を描きたい」「音楽を作りたい」という夢を現実化するために、お金をガーンと絡ませる迫力は凄い。「自分の人生とお金」ということに関してものすごく自立してる感じですよね。

夢をエクセルに落とし込んだ瞬間に、劇的に人生が始まる

夢を見ただけでふわふわ終わる人生もあると思うんですけど、私は30代になったあたりで夢は現実化したほうがいいと考えを変えました。20代まではバカな女子大生上がりだったので、すごいコンサバで、みんなと一緒に上手くやってればいいやっていう、銀座の売れないママみたいな考え方だったんですけど(笑)。欲望をはっきりさせ、その現実化に対して動くようになってからは、人生がダイナミックに、すごく面白くなってきました。

じゃあ実際にどうやって欲望や夢を現実化していくかという時、私は「エクセルを走らせろ」という言い方をします。夢は、エクセルに落とし込んだ瞬間に現実化するんです。

海外に行きたい年金生活の夫婦なら、まずは具体的な目的地を決めること。たとえば、テレビで観て行ってみたいなと常々思っていたトルコのパムッカレに行こうと決めたとしますね。次にやることはエクセルに予算表を作ることです。そして、「どんな旅行がしたいか」「そのためにはどこに重点を置き、何を削るか」と、一つひとつ欲望を具体化して、予算を立てるのです。「時間はかかってもいいから、飛行機代は安くしたい」「このレストランには絶対行きたい」と、細かくやっていくことがポイントです。

この作業は同時に、自分の欲望を細かい判断を通して思考確認していることなのです。そういった細かいことが実はその人の個性をつくっているんですよ。すると、大体の予算が出てくるじゃないですか。あとは、数字を捻出するために毎日の年金生活からその分のお金を捻出するだけですよ。劇的に人生始まった感じがしませんか?

 ふわっと持っている夢をいくつ現実化できるか、1年間に何度の夢を現実化させられるかで、中高年になってからの人生の豊かさに決定的な差が出ると思います。ですから、『MaRiche』の読者のみなさんには、小さなことでもいいから、自分の夢を現実化させるために賢くお金と付き合っていってほしいですね。

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Photo:Bunsaku Nakagawa

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