はじめに

人生を変えたければ、今晩の居酒屋を真剣に選ぼう

自分の中のエンジン=欲望を認め、強化していくのにいい訓練になるのは、「その選択でどういう対価が得られるか」という思考を日々重ねていくことです。つまり、自分の中にオリジナルの取捨選択癖、つまり、判断と思考のクセを付けること。

たとえば私の場合、適当なワインでもいいけど、適当なスカートじゃダメ。5、6000円のちょっと素敵なビストロに10回行くなら、グランメゾンに1回行きたい。そういう積み重ねが自分の輪郭つまり欲望のかたちをつくっていくんですよ。

私、今50代中盤なんですけど、長く生きてきて面白いのは、20代30代40代と、そういう小さい判断と思考を積み上げていったことが集大成化されていくことですね。自分が選んだ一つひとつことが、たとえば今はめているおかしなトカゲの指輪が全てを語っているわけですよ。語ってどうするかって話なんですけど(笑)、そういうことが世の中を小さく面白くしていくっていうのかな。

ちなみに私、「一人ジョエル・ロブション」というのをやったことがあります。まあ、安くはない金額のグランメゾンですが、ひとりの女客は嫌われて、端っこの目立たない席に通されるのかな、とおもいきや、周りからよく見えるステージみたいな席に座らされて、ソムリエが私専属みたいになっちゃって、どこかの王妃様ですか、ぐらいの扱いをうけた。そして、その体験をガンガン語ってるので、結局、それは「生き金」になりましたね。

やらない理由は、夢を見ていたいから

いちいちジャッジメントを下していくのは、実はかなりメンドくさい。そのメンドくさいことを続ける「心の筋力」が日本人はなさすぎるんだと思います。最初は大変なんですけど、思考する癖をつけておくと、人生に劇的にチャンスが多くなっていくし、思考することは他から情報収集をすることになるわけですから、無駄に怖がることもなくなります。

大人になったからといって不安をなくすことはできません。出来るのは、技術と思考で不安を飼いならしていくこと。よくみなさんは「将来のことが全部不安」っていう病気にかかっていますが、考えないから怖いんですよね。怖い怖い、不安不安、っていうけど、じゃあ不安の正体はなんなの?っていうことを考えずに、ぽわーんとした不安の種だけを持っているという状態。そして、選択を間違えるのが怖いから行動しないというパターンが習慣になってくる。

不安の前にまったく行動しないっていう人は多いですよね。その真相は、やらなければずっと夢を見ていることができるから、なんですよ。まあ、子どもですよね。子供って親の保護下に置かれているから、親のお許しが出て、また、つれていってもらえてディズニーランドに行くわけです。

大人っていうのは、誰かにお伺いをたてる必要がないほど自由なのに、どうしてか、わざわざお伺いを立てる相手を探していませんか? 決めてくれる相手がいないことを、やらない理由にしていませんか?

結婚したい女の人にありがちなのは、それまでお伺いを立てる相手が親だったところを、こんどは夫に任せようとしているパターン。そこにはやっばり判断して思考することが面倒くさい、怖いという思考が横たわっている。自分ができないのに、夫ができるわけないじゃない!(笑) メンドくさいけど、自分のことは一つひとつ自分で決断しないと、いつまでたっても夢は夢のままです。

あとみなさん、学校行っちゃダメ! これも日本人にありがちなことですが、何かをやりたい時に「ちゃんと勉強しなきゃ」と思い込んでしまうんです。これは真面目というよりも、やっぱり夢を現実することが怖いんだと思います。夢をずーっと見ていたい。夢を追っている時だけは、「私、カフェを開こうと準備中なの!」って人様に言えるじゃないですか。そうすると一旦、猶予期間ができるんですよ。でも、それで30になり40になって、50になってまだ猶予期間って「どういう人生だ!」って思いますけどねぇ。

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