はじめに

理解の足りない部分を埋める学び「アクティブ・ラーニング」

また、近年、教育現場で注目を集めているアクティブ・ラーニングもクリティカルなアプローチといえます。アクティブ・ラーニングとは「能動学習」や「探求学習」と呼ばれ、先生(講師)の話を一方的にインプットするだけでなく、書く・話す・発表するなどのアウトプットを取り入れることによって授業(講義)の効果が高まる、というものです。

たとえば、あなたが「SDGs (Sustainable Development Goals /持続可能な開発目標)」について学んだとき、その理解を深めるためには、学んだことを書く・話す・発表することが効果的です。なぜなら、自分が正しく理解していなければ、正しく人に伝えることはできないからです。人に伝えることを前提とすることで「正しく、深く理解しよう」という気持ちが芽生えるのです。

アウトプットまでの道すがら、おそらく自分の理解が足りていないことに気づく瞬間がくるはずです。このときがチャンスです。自分が「何を理解していないのか」がわかれば、調べるなどして理解を深めていくことができるからです。また、アウトプット中に、周囲(相手)からいろいろな質問が飛んでくることもあるでしょう。その際、答えに詰まったり、うまく答えられなかったりしたなら、それは、自分の理解が足りていなかったということです。その「不足」をていねいに埋めていくことで、理解を深めていくことができます。

アクティブに働きかける理解の中で最も効果が大きいのは「教える」です。あなたが先生となって、それを知らない人に教えるのです。「教える=ただ伝える」ではありません。ゴールは「相手が正しく理解する」こと。教えることを前提とするだけで、緊張感が生まれ、インプット時の意欲と集中力も高まります。

たとえば、あなたが、あるテーマの文章を読んでいるときであれば、そのテーマについて教える相手からどんな質問を受けるだろうか? 質問を受けたら、どう答えればいいか?―― とシミュレーションしながら読み進めることでインプット効果を高めることができます。あなたが学びと理解のスピードを高めたいなら、「1週間後に、○○について後輩に教える」あるいは、「1ヶ月後に、○○についてのシェア会や勉強会を開く」など、教える予定をスケジュールに組み込んでみましょう。

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