はじめに

未上場企業が新株の発行や売出を行って証券取引所に上場することで、投資家が株式を取得できるようになることをIPO(Initial Public Offering:新規株式公開)と言います。フリマアプリを展開するメルカリ(2018年6月19日)や、YouTuberのマネジメントを行うUUUM(2017年8月30日)などのIPOがニュースとなり、記憶しているひともいるかもしれません。


そもそも上場って何?

株式会社を作り規模が大きくなると証券市場(経済関係はシジョウと読みます)に上場することがあります。この時に新規で株式を市場に公開することを上場と言います。そして会社には上場している企業と非上場の企業が存在します。

会社にとって上場とはどういう状態なのか

上場の目的は様々ありますが、多くの場合は資金調達をスムーズにするためや社会的な信用度、認知度を上げるなどの狙いがあります。

証券市場によって上場基準が異なりますが、上場している会社はこの基準を満たしたうえで審査を経て、上場が決まります。上場すると、その会社の株式が世の中に流通し、個人でも上場会社の株式を購入することができます。上場の新規上場の要件の例は以下の通りです。

グロース市場の新規上場要件の一例
1. 株主数(上場時見込み):150人以上
2. 流通株式(同上):株式数1,000単位以上、時価総額5億円以上、株式比率25%以上
3. 公募の実施:500単位以上の新規上場申請に係る株式等の公募を行うこと

これ以外にも11まで要件があり、上場までの道のりは簡単なものではありません。しかし今後多くの株主に対して透明性を確保するためにこの対応をした上で上場ができるかどうかが決まります。

IPO投資とは何か

会社が各市場に新規で上場するときに事前に定めた世の中に流通する前の公募価格で株式を購入してもらい、上場初日(初値)に値段が上がったら売却をして利益を得る投資手法をIPO投資と呼びます。もちろん初値で売らずにそのまま保有しているひともいます。

IPO投資は比較的に儲けが出やすいといわれます。上場する=期待されている会社です。つまりこれからこの会社は良くなっていくだろうと思われやすく、初値が公募価格よりも高くなりやすい傾向にあります。簡単にいえば、

「期待されているから値段が上がりやすい」ということです。

実際に直近から過去100銘柄のIPOを計算してみた

実際のIPOの結果などは「IPO初値結果」などで検索すれば銘柄ごとにまとまっているページが複数あるため、気になるひとはチェックしてみてください。

*2021年IPO分に1銘柄だけあまりにも大型の上場があり、全体の数字のブレを発生しにくくするために計算から抜いています。

平均公募価格:1767円
平均初値  :2900円
平均上がり幅:1133円
平均上がり率:64%

100銘柄中初値がマイナスになったのは11銘柄。
1銘柄はプラスマイナス0でした。
つまり100銘柄中利益が出たものは88銘柄となり、その勝率は88%でした。

短期投資としてここまでの高い勝率はなかなかあり得ない数字だと感じます。やはり期待値が高いことが表れているのでしょうが、しかしながら必ず利益が出るわけでもありません。また、利益の幅もそれぞれの銘柄次第なので、小さい上がり幅もあれば大きな上がり幅もあることは普通の投資と同じです。

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