はじめに
電力、水、農作物へも影響
また暑さのため、冷房による電力需要が増大し電力需給がひっ迫しています。経済産業省は6月26日(日)から4日間にわたり東京電力エリアに「電力需給ひっ迫注意報」をだして家庭や企業に節電を呼びかけました。政府からこの様な呼びかけは初めてのことです。
7月10日(日)に投開票が行われる参議院選挙後には、原発再稼働も話題に上がりそうです。6月30日(木)、ロシアのプーチン大統領がサハリン2の権益などを引き継ぐ新たな事業体を設立する事に関し、大統領令に署名したとの報道がありました。この事業には三菱商事(8058)や三井物産(8031)の商社が名を連ねています。
岸田首相はロシアがウクライナに侵攻した際においても、「日本は撤退しない」との方針を発言していました。サハリン2からは、年1,000万トンの液化天然ガス(LNG)生産量のうち約600万トンが日本向けで、日本全体で9%を依存して、ロシアからの輸入量のほぼ全量を賄っています。仮にロシアからのLNGがストップした場合、更なる電力不足や料金価格の上乗せも考えられます。そうした事からも原発再稼働の動きに拍車がかかりそうです。
異例の早さで明けた梅雨で水不足の懸念や連続の猛暑で熱中症への注意喚起など、連日ニュースで取り沙汰されています。フジテレビが報じたところによると、徳島県と香川県をはじめとする四国4県の主な水源で“四国の水がめ”と呼ばれる高知県の早明浦ダムでは、貯水量が29日(水)午後3時時点で34.9%まで減少しており、渇水が進み貯水率が0%になる可能性もあるとしています。今後は農作物への影響も出てくるかもしれません。
5月末の記事ではインド、パキスタンの異常な気温上昇から小麦不作懸念、ロシア(世界3位の生産国)によるウクライナ(世界8位の生産国)侵攻も相俟って物価高懸念の話題でした。追い討ちをかけるように、猛暑や水不足となれば農作物への影響は更に色濃くなると思います。
今年はようやく新型コロナによる影響が半減し、本腰の経済活動中心の夏を向かえられそうな気配です。今後、一足先に訪れた猛暑が収まる事を願っています。