はじめに

投資を始める前に家計の整理から

投資やつみたてNISAを始めたいとのことですが、まず家計の中で投資に回せるお金と回せないお金を整理整頓するところからはじめていきましょう。投資は、経済成長のエネルギーを活かしながらお金を増やす仕組みですが、お金は波を打ちながら成長していきます。すなわち、「上がれば下がる、下がれば上がる」を繰り返すものなので、あらかじめその変動を見込んで長く続けられるお金を投資に振り向けることがとても重要なのです。

お金を整理整頓する際には4つの目的別にお金を分類します。「使うお金」「貯めるお金」「守るお金」「増やすお金」です。

「使うお金」は生活費の3カ月分

「使うお金」は日常生活費の3カ月分とします。現在の貯蓄が35万円ですから、日常生活費の3カ月分にあたる60万円はあと5カ月で貯められますね。このお金は普通預金に置いておきます。

使うお金の置き場所である普通預金口座は、常に残高60万円をキープします。つまり給与日に20万円を口座に入金し、1カ月の生活費をそこから使い、給与日前の残高が60万円に戻るというサイクルです。このお金は、緊急時に備えた予備費となります。

「貯めるお金」は5〜10年の間に使うお金

「貯めるお金」は5年から10年の間に使う予定のお金を指します。しばらくするとお子さんたちは小学校に上がりますね。入学準備にもお金がかかります。中学、高校と続けば塾や受験費用も必要でしょう。そういうお子さんの教育にかかるお金は投資ではなく定期預金を利用し確実に増やします。

住宅ローンの繰り上げ返済を予定している、家族旅行や年に1回は帰省のお金が必要だ、といった目的のお金も「貯めるお金」として計画的に準備します。ネット銀行の定期預金は金利が高めですから利用したいところです。

「守るお金」は万が一に備えた保険

「守るお金」は万が一に備えた保険です。大きな病気をして働くことが難しくなる、配偶者が若くして亡くなって経済的に困窮する、といったリスクに適切な保険で備えます。現在保険料は4万6,000円支払っていますが、この保障内容が適切かどうかは確認したいところです。なぜかというと、リスクに備えるために保険は必要ですが、公的保険や会社の保障を知らずに必要以上に民間保険に入っていることも少なくないからです。

公的保険でどのくらい給付が得られるのかは、ねんきん定期便で試算ができます。専門家に相談して現状の保険が適切かどうか検討されるとよいでしょう。

「増やすお金」は投資信託を活用

「増やすお金」は、10年以上先に使う予定のお金を投資で作っていくところになります。具体的にはiDeCoやつみたてNISAといった税制優遇のある仕組みを使い投資信託を積み立てていきます。

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