はじめに

コロナがひと段落し、3年ぶりに夏休みはアウトドアの予定を立てていた矢先の第7波到来。行動制限は今のところ出ていないまでも、インドアで夏休みを過ごさなければならない家庭も多いでしょう。室内でエネルギーを発散させて、子どもが思わず家電を壊してしまった場合、火災保険でどこまで補償できるのか考えてみます。


家財の請求で最も多いのは「破損、汚損等」の事故

火災保険という名前ですが、家財にかけている火災保険で一番請求が多いのは、「破損、汚損等」という項目です。事故請求のあった約6割は破損、汚損などの請求というデータがでています。

破損、汚損などの「保険金をお支払する場合」には「不測かつ突発的な事故により保険の対象に損害が発生した場合」と書かれています。損害保険の事故には「急激、偶然、外来」の3原則があります。

この要件が揃っていなければ、保険金請求の対象にならないので、長年使って老朽化した家電が壊れた場合は対象外です。

家財の請求でよくあるのが、テレビの破損です。子どもが遊んでいる最中にテレビにぶつかり画面が壊れてしまった。テレビのコンセントにひっかかり、テレビが台から落ち破損してしまった、などです。

コンセントを抜いた時に勢い余って、コンセントの先が液晶画面にぶつかり、破損個所は小さいのですが、画面が半分しか映らなくなった、という例もありました。

壊れた家財、自己負担なく新しいものに買い替えられるとは限らない

古くなったテレビが壊れてしまった場合、新しいテレビを買えるだけの保険金がでるとは限りません。支払い保険金を決める際の目安にするのは、壊れた物と同一の構造、質、用途、規模、型、能力のものを再築(もう一度使えるようにする)、再取得する金額です。最新の液晶テレビ相当額が認定されるわけではありません。

修理または同等の品物に交換するときにかかる修理見積や、修理不能の場合は、新たに同等の商品を購入する見積によって、損害額が認定されます。

購入から6年程経過したプラズマディスプレイのテレビの近くで、子どもたちがおもちゃの剣で遊んでいたところ、誤って剣が画面にぶつかり、ひびがはいってしまった例がありました。電源は入るが、画面半分が見えない状態です。

6年前の購入金額は140,000円 ディスプレイパネルを取りかえれば修理可能で、修理見積金額は97,000円。うち、出張費などを除いた74,000円が認定となりました。

火災保険には事故の際に、損害物の片づけ費用、復旧の清掃にかかる費用、実際の修理に至るまでの応急処置の費用などがかかることから、損害額に対して20%の費用を支払う「事故時諸費用」がついている商品がほとんどです。このケースも損害額74,000円に対し20%の諸費用14,800円が支払われ、合計88,800円支払われました。

新しいテレビを買うことも視野に入れていましたが、新しく購入するには自己負担分が多く必要になってしまうので、保険金を使い修理し、現状復帰して使うことになったようです。

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