はじめに
なぜお金は貯まりづらいのか
相談者さまは、家計に余裕はあるものの支出が多すぎると感じているようです。一般的に人はお金があればあるだけ使ってしまうという傾向にあります。この傾向を著した有名な法則が「パーキンソンの法則」です。
この法則は、イギリスの歴史学者・政治学者であるシリル・ノースコート・パーキンソンが、著書『パーキンソンの法則:進歩の追求』で提唱した法則で、第一法則と第二法則に分かれています。
第一法則:仕事の量は、完成のために与えられた時間をすべて満たすまで膨張する。
第二法則:支出の額は、収入の額に達するまで膨張する。
簡単に言うと、早く終えられる会議も時間ギリギリまで延びてしまいがちだし、支出は収入の額まで使ってしまいがちということです。これには「はっ」とする方も多いのではないでしょうか。人の傾向として、ついつい使いがちになる時間とお金は、どちらも意識してコントロールしていく必要がありそうです。
家計を見直すための3ステップ
意識して家計を見直していくためのステップは、以下のようになります。
【STEP1:家計簿をつける】
紙・表計算ソフトの家計簿や、家計簿アプリを活用してご自身の家計の収支を記録していきましょう。
【STEP2:支出を費目ごとに集計し把握する】
支出は費目ごとに整理することが重要です。食費、交際費、日用品、趣味娯楽が入り混じると「何に使いすぎているのか」が不明なので、改善ポイントがわからないからです。特に家計簿アプリで集計している場合、費目分けをきとんとして家計を振り返る習慣が必要です。「なんとなく家計簿をつけている」だけだと、曖昧で使えないデータになりがちなので注意しましょう。
【STEP3:使いすぎている支出を改善する】
費目ごとに整理できたら、使いすぎているポイントをみていきましょう。特に金額が多いものから順番にみていくと、改善額を大きくできます。また、使途不明金があれば、使途不明金を減らすようにSTEP1、2をしっかりすることだけでも改善が進む場合があります。