はじめに
相談者の収支バランスは?
今回のご相談者様の家計をみると、収入は高いけれど「収支の把握」が甘いようです。仮に65万円の収入だったとして、支出と貯蓄・投資の合計が54.3万円になるので、10万円ほどが貯蓄にも投資にもなっていない可能性があります。自営業の妻の収入が安定していないかもしれませんが、全体的に使途不明金がかなりあるので、家計簿をしっかりとつけることから始めると良いでしょう。
続いて、支出をみていきたいと思います。
◆住居費:3万円
親戚の家を3万円で借りられるのは強みですね。一般的に、収入の25%前後が住居費になることが多いのでかなり有利なポイントだと思います。
◆食費:10万円→5〜8万円
65万円の収入に対して10万円の食費は、比率的にはそれほどおかしくありませんが、節約したければ大きく下げることは可能です。4人家族の食費であれば5万円前後でやりくりしている家庭はたくさんあります。共働きで忙しいかもしれませんが、食費を抑えたいと思っているのであれば、5万円から10万円の間で賢くコントロールする方法はあります。食費に日用品も合わせて管理している場合は、日用品の一般的な月額費用は1万円前後のことが多いので、食費+1万円の日用品をトータルで管理されると良いと思います。
◆水道光熱費:5万円→4万円
水道光熱費は高めですね。仮に電気代2万円、ガス代2万円、水道代1万円としてもそれぞれが高いので、電気・ガスは安く供給してくれる会社に切り替えを検討すると良いと思います。また水道費は、お風呂のシャワーヘッドの交換や、洗濯の回数を減らすなどが有効です。洗濯を1日に、3回も4回もしている方もいます。多くて1日2回までなど回数を決めてコントロールしていくと良いでしょう。
教育費と保険料の見直しポイントは
◆教育費:10万円
教育費はお子さんの未来に向けた投資になるので、高い・安いの判断が難しいところです。私立小学校に通っている場合はこれくらいの支出は普通です。公立校であれば何にいくら使っているのかをしっかり洗い出して、「要不要」を子どもと一緒に考えると良いと思います。重要なのは、子どもが主体性をもってやりたいと思っているかです。やりたくないことは身に付きづらい上、主体性を奪う原因にもなりかねません。また、「始めてしまったから途中で止めるのはなんだか勿体無い」と惰性で続けていても意味が無いかもしれません。教育費は聖域化してしまいがちな費目です。教育費にかけて良いと思われる金額の予算を決めて、その中で子どもの主体性を考えながら取捨選択されると良いと思います。
◆保険料:3.5万円
学資保険に加入しているとのことですが、学資保険だけでは死亡保障が少ないと思います。収入保障保険など、死亡時に生活費をカバーしてくれるタイプの保険に加入すると良いと思います。しかし保険料3.5万円/月は高額ですね。学資保険の解約返戻金がある程度出るなら解約し、収入保障保険を優先したほうが良いと思います。加入の段階で、保険で備えるべきもの、貯蓄や投資でそなえるべきものを見極めることが重要ですね。