はじめに

「物言う株主」が増加

今年に入り、経営に積極的に関与する投資家「アクティビスト(物言う株主)」から株主提案を受けた企業が増加傾向にあります。2022年に株主提案を受けた企業は36社に上り、過去最多を更新しました。

物言う株主が、どのような企業を大量に購入したのかを知る方法として、「大量保有報告書」というものがあります。大量保有報告書とは、国内外の投資家が上場企業の発行済み株式数の5%超を取得した場合に、必ず5営業日以内に管轄の財務局に提出しなければならない法定書類の事です。また、一旦、提出した後も保有比率に1%の増減があるたびに「変更報告書」を提出する義務が生じます。

この報告書の主な記載内容は、(1)提出者の名前、(2)保有目的、(3)保有株式数、(4)提出後の保有比率、(5)付随の重要契約などがあります。ここで、私が注目しているのが、(1)提出者の名前と(2)保有目的です。

提出者には、証券会社や大手運用会社などが主な機関となります。しかし、最近は投資ファンドなどアクティビスト(物言う株主)による大量保有報告書の提出も増加傾向にあります。保有目的について大手運用会社などは「純投資」や「政策投資」が多いのですが、投資ファンドなどは「純投資及び状況に応じて重要事項提案等を行う」と保有目的に記載する事もあります。

「重要提案行為等を行う」とは経営陣や株主総会で「役員の構成の重大な変更」や「配当政策に関する重要な変更」などを提案する行為です。企業側は投資ファンドの要求を受けざるを得ない状況から、増配や株価還元策などを公表する場合もあります。

大量保有報告書は金融庁の「エディネット」やM&Aオンラインで閲覧できます。投資判断の一つにもなりそうです。

最後に最近シティインデックスイレブンスが買い付けている銘柄群をお伝えします。シティインデックイレブンスの保有銘柄は、東亜建設(1885)、ジャフコG(8595)、コスモHD(5021)、セントラル硝子(4044)、ホシデン(6804)などです。

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