はじめに
持病を持っている人が住宅購入時に注意すること
ご相談者は持病を持たれており、通常の団体信用生命保険(団信)に加入できない可能性があります。その場合は、「ワイド団信」と呼ばれる、持病をお持ちの方でも加入しやすい団信に入るか、団信に加入しなくても借入れが可能な、「フラット35」を利用する必要があります。
「ワイド団信」とは、病歴や持病により一般の団信に加入できない方向けの加入の条件を緩和した団信で、金利に0.3%程度の上乗せが必要となります。
その場合、以下のようになります。
借入可能額2300万円 金利0.75% 返済期間20年
= 10万3,230円
このように、年収からみると2,300万円の借り入れが一つの目安となりますが、ここに、固定資産税や、マンションの場合は管理費・修繕積立金など、住宅ローンとは別に住居関連の費用負担があります。
ご相談者の現在の家賃が5万円/月なので、住宅を購入すると、住宅関連費用が倍以上に増える計算となります。それを踏まえた上で、お子さまの教育費やご自身のリタイア後の準備が可能であれば、住宅購入も選択肢に入ってきます。
ただし、注意点は、住宅購入するということは、今回の場合だと20年間住宅ローンの返済をしなければいけなくなります。当然、安定した収入が将来にわたって継続する前提で返済計画を立てるわけです。ご相談者については、今は安定しているものの、持病をお持ちですので、働けなくなる可能性や、収入が減少するリスクも高いと言えます。住宅購入については、費用面だけでなく、これらリスクも踏まえて検討する必要があります。
購入する場合は退職時期にキャッシュで購入できるように
ご相談者の住宅購入の目的は、ご両親との同居生活の解消です。住宅購入をしなくても、賃貸で住むという選択肢もあり、その場合はお身体やお仕事の状況で、家賃の調整をすることも可能です。
もし将来的な家賃負担を考え、住宅購入を希望するのであれば、退職時期にキャッシュで買えるように今から貯蓄をしていくことをお勧めします。いざ退職を迎えた時に、そのまま賃貸で住み続ける、ご実家に戻る、終の棲家を購入するなど選択肢が増えることになります。ぜひ、住宅購入の目的を改めて整理し、将来に渡ってのライフプランを考慮した上での住宅購入計画を立ててください。
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