はじめに

海外投資家の動向と日経平均株価の動き

5月第2週(5月9~13日)現物を3,534億円売り越し、先物を3,998億円売り越しました。日経平均株価はこの週576円下落しています。要因は米国の10年国債が3.1%をつけ、これは2018年11月以来のことで、ナスダック指数が年初来安値となった週でした。

6月には一転、買い越しに転じます。6月第1週(5月30日~6月3日)は現物は410億円売り越したものの、先物を6,659億円買い越し、累計で6,249億円買い越しました。6月第2週(6月6~10日)は現物1,824億円買い越し、先物4,549億円買い越し、累計で6,373億円買い越しています。この2週間の間で日経平均株価は、1,050円上昇しています。要因はニューヨークダウ指数が9週ぶりに上昇した事です。

しかし、翌週の6月第3週(6月13~17日)は現物8,045億円売り越し、先物9,137億売り越し累計で1兆7,182億円売り越しています。 要因は米国のCPI(消費者物価指数)が40年ぶりに8.6%台となり、FRBが9月まで大幅な利上げを想定した事に加え、ECBが0.25%の利上げを検討しているとの報道が嫌気されました。

7月第1週(7月4~8日)は現物 4,308億円買い越し、先物は7,597億円買い越し、累計で1兆1,905億円買い越しました。この週の日経平均株価は582円高となっています。要因は中国が30兆円規模の景気対策を講じるとの報道や、自民党が参院選で優位との報道が好感されました。

7月第3週(7月19~22日)は現物 1,920億円買い越し、先物6,937億円買い越しで累計8,856億円買い越しています。この週の日経平均は1,126円上昇しています。要因は米国の過度な利上げが景気減速に繋がるとの報道や、日銀が金融緩和政策を現状維持した事などが挙げられます。

上記に記した、7月第1週から8月第3週まで日経平均は約3,000円上昇しました。期間中の海外投資家の買い越しは2兆9,152億円です。しかし、現物は1,877億円しか買っておらず、先物を2兆7,275億円買い越していました。要因に日経平均株価への寄与度が高いファーストリテイリング(9983)が好決算を発表した事や、米金利の低下、商品市況の下落などが挙げられますが、正直短期間で日経平均株価が3,000円も上昇するような報道はなかったように思います。

それが一転、ジャクソンホールでのパウエルFRB議長の「物価の安定がFRBの責務であり、インフレ率を2%に引き下げることが、最も重要な焦点」と発言された事をきっかけに日米の株価が下落に転じました。冒頭で記載しましたが、海外投資家は1兆円を超える売り越しとなりました。


今後の日経平均株価の動きも、理由なき動きも想定されます。しかし、先週の個別株を見ると年初来高値を更新する銘柄が,、ETFなどを含め174銘柄あります。業績が好調な企業や円安メリット、アフターコロナ、個別材料株などです。

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