はじめに
私がもつ樹木葬のイメージは、西行の詠んだ「願わくは 花の下にて 春死なん その如月の 望月の頃」というところでしょうか。
なんとなく桜の木の下に埋葬されるのもいいのかな?なんて漠然と思っています。
桜は満開よりも、散り際の桜を見るのが好きというのも、人生の散り際のイメージがあるからでしょう。この西行の歌のイメージが好きだからかも知れません。
自分のお墓について、まだ具体的にイメージを持っているわけではありませんが、遠からず自分のお墓についても考える時期がくるのでしょう。
ということで、今回は樹木葬について解説をしてみます。
お墓のニーズが「樹木葬」に変わった
団塊の世代(1947年〜1949年生まれ)と呼ばれる方々が、2022年から順次、75歳を迎えます。総人口の4.7%を占める人が後期高齢者になっていくのです。もちろん亡くなる方も多くなるので、2040年までは死亡者数が増加していく予想です。そこで墓地の需要も上がっていくわけです。
では、お墓のニーズはどうなっているのでしょうか。鎌倉新書の「お墓の消費者全国実態調査」によると、購入したお墓の種類は、2018年で一般のお墓が46.7%に対して樹木葬は24.9%でした。2022年では、一般のお墓が25.8%に対して、樹木葬が41.5%になっています。
主流は、一般のお墓から樹木葬の方に変わったといえます。
これは核家族化、少子化の影響で、跡継ぎがいなくて、お墓を維持することができなくなったのでしょう。子どものいない夫婦などは死んだ後も、永代供養してもらえるのであれば、寺院や霊園が管理してくれる方が安心できますね。
「樹木葬」と「散骨」との違い
樹木葬とは、遺骨を埋葬したところに、墓石を建てずに樹木や花を墓標とするお墓を指します。ここで注意したいのは、散骨とは違うということです。
散骨は、火葬後粉末にした遺骨を、野山や海にまくことです。散骨を取り締まる法律はとくにないのですが、むやみに散骨するとトラブルのもとになります。それでも散骨をしたい場合には、「墓埋法」により、できる場所や申請方法が違ってきます。
しかし同じ自然葬でも、樹木葬はあくまでお墓の一種です。
樹木葬には、「庭園タイプ」「公園タイプ」「里山タイプ」などがあります。また埋葬や納骨の仕方は、霊園によって異なってきます。値段は一般のお墓を購入するよりも石材の費用などはかかりませんので、グッと安くなります。