はじめに
働き方の多様化や、インフレによるリスクに備え、副業を検討している人も増えているようです。でも「起業してるってカッコいいし、まずは会社を作ろうかな」ですって? なんて……嘆かわしい!
今回も、お笑い芸人で本物の税理士である税理士りーなが、法人の設立というのが何なのか、わかりやすく解説していきますね。
起業と法人設立の違い
まず、自分で何か副業を始め、収入を得るようになり、それが継続的で、かつ「開業届」を税務署に提出しておくことで、個人として「事業を営んでいる」といえるので、個人の確定申告で「事業所得」として所得税の申告を行うことになります。つまり、自分で安定的に収入を得るようになって開業したからといって会社を作る必要は全くなく、個人事業主として申告をすれば問題ありません。
個人事業としての規模が大きくなってくると、世間の信頼や節税の観点から「そろそろ会社を作ることも考えようかな」という話になってきます。この「会社を作る」というのが「法人設立」といって、個人の自分一人のもうけではなく、「法人」という「個人」とは別人のような存在を作って、そちらのもうけ=所得として申告することになります。
その段階になって、ようやく法人の登記申請が必要になります。そして自分自身には会社のもうけから役員報酬として給与が支払われるという流れです。
では、「そろそろ会社を……」というのは、いつのタイミングでしょうか?
(1)利益が800万円以上で所得税を節税したい
(2)社会保険料を下げたい
(3)消費税申告のボーダーライン内へ
それぞれの理由と特徴について解説していきます。