はじめに
新型コロナウィルスの影響から買い物する際、なるべく非接触を心掛け、現金支払いから電子マネーに変えた人も多いのではないでしょうか。この電子マネーには「前払い」「即時払い」「後払い」の3つのタイプがあります。今回は「後払い決済」について、解説します。
後払い決済とは
後払い決済とは、商品購入後、1カ月後など一定期間を経てから支払いが行われる決済方法です。BNPLといい、「Buy・Now・Pay・Later(今購入し、後で支払う)」の頭文字を取った略語で、おもにクレジットカード以外の後払いサービスを指します。
決済アプリをダウンロードして利用するもの、たとえば「Paidy」「atone」「Paypayあと払い」などがあります。
オンラインショップで買い物をした際に、後払いを選択することで商品の到着とともに、請求書が発行され、コンビニや銀行で支払う方法もあります。代表的な例では、ZOZOTOWNの「ツケ払い」や、メルカリの「メルペイあと払い」、Yahoo!ショッピングの「ゆっくり払い」などです。
後払い決済(BNPL)のメリット
いざ大きな買い物をしたいとき “後払い”ですから、手元に現金が無くても欲しいものを手に入れることができます。また、あらかじめ銀行口座の登録をしておくことにより、後から口座引き落としされるので、チャージの手間もありません。
クレジットカードも同じ機能ですが、クレジットカードをもっていないと、当然ながらカードを作らなければなりません。その際カード会社による審査を通過する必要があります。定期収入のない学生などの場合、審査に通らないこともあります。また申請してからカードが届くまでに時間が掛かります
一方、後払い決済の場合、アプリによって異なりますが、メールアドレス・携帯電話の番号・本人確認できるもの(自動車免許など)の登録だけで使用することができるため、手間もなく、かつ商品を買い損ねるといった機会損失がなくなります。
さらにオンラインショップで商品を購入した場合、クレジットカードは番号やセキュリティーコードを入力しなければならず、番号流出の危険も考えられますが、後払い決済は項目を選択するだけで良いので、その心配もありません。
またクレジットカード払いで分割払いにすると利子が発生しますが、後払い決済は一括払いはもちろん、3~4回ほどの分割払いであれば、無利子のケースが多いです。
後払い決済のデメリット
決済手数料が1回につきおよそ0~356円掛かることがあります。
また、後払い決済に限らず、クレジットカード払いにもいえることですが、「お金を使った」という実感が湧きにくいことはデメリットにあげられます。本来ならばその月に支払わなければならないものを先送りにするので、1か月先、2か月先の予算を先取りすることとなります。つまり「未来のお金を先に使って」しまいます。
もっとも「お金を使った」という実感が湧くのは現金です。財布から現金が無くなりますから一目瞭然です。またチャージであれば使用すれば、残高が消えるので、現金ほどではなくとも「お金を使った」と認識できます。
昔から「カード破産」が問題になっていましたが、これからは「後払い決済破産」も考えられます。すでにアメリカでは後払い決済の融資額が3兆円超に膨張し、10人に1人が支払い遅延していると問題になっています。
支払いが何度も遅れてしまうと利用限度額が下げられたり、サービスが利用できなくなったり、さらに放置してしまうと、法的措置を取られてしまう可能性もあり得ます。