はじめに
貯蓄だけでも十分やっていける?
まず、現在の支出金額を確認すると、大きく切り詰める必要もなく、着実に資金が貯められる状況です。「支出額」の中にある2万3,000円のiDeCoも老後資金構築が目的であるため、支出と見なす必要はありません。つまり、毎月の貯蓄額12万円+iDeCoの投資2万3,000円で月額合計14万3,000円を貯めることができているといえます。
このほかに、ボーナスからの貯蓄が90万円あり、年間で261万6,000円を貯めることができています。
ボーナスを使わずに着実に貯金することは、なかなかできることではありません。そのため、相談者の方はマメにこつこつと貯蓄ができる方か、老後を不安視して着実に貯めようとしているかどちらかだろうと推測されます。
このまま同じ金額程度、例えば年間で250万円を貯めることができれば、60歳までにおよそ16年間として4,000万円を貯めることができます。現状の貯蓄と投資額の合計1,700万円とあわせると60歳前後には5,700万円を貯めることができています。いつまで働くか、老後に毎月どれぐらい使うか、住まいをどうするかといった課題はあるものの、公的年金などを考慮すると、貯蓄だけでも十分生活資金は確保できると考えられます。
インフレ対策をどうする?
とはいえ、昨今のインフレや年金動向等を考慮すると、今後家計にマイナスとなる事象が生じてもおかしくはありません。少しでもお得な仕組みを使って資金を貯めていきたいというご希望であれば、公的な制度を利用してインフレ等に備えることも検討していく必要があります。
「ふるさと納税」はご利用でしょうか?もし利用されていないのであれば、是非上限額まで利用してみてください。年末まで時間もあります。返礼品を受け取ることを検討しましょう。
相談者の方が気にされているつみたてNISAの利用もあってよろしいかと思います。ただし、その場合には、iDeCoと同じような投資にするよりかは、全体の運用から見て分散も心がけていくべきでしょう。例えば、iDeCoでは運用していない地域や業種などに投資する投資信託を利用してみるなど工夫が必要です。
もちろん、20年間の非課税期間をフルに利用して、着実な資産形成をはかるといったことであれば、同じような投資になっても構いません。その場合には、中長期的な視野から見て、伸びる国、地域、企業への投資が行われる投資信託を選ぶべきです。先進国にまとめて、あるいは世界全体に投資する方が無難かもしれませんね。
現状の投資バランスですが、預貯金1,200万円に対して投資が500万円となっています。おおよそ3割が投資にまわっているという比率は、40代の独身の方であれば妥当といってよいのではないでしょうか。