はじめに

配分変更とスイッチング

iDeCoの運用商品を変更するには、「配分変更」と「スイッチング」という2つの技を使い分けていきます。配分変更は、次月の掛金で買う運用商品を変更すること、スイッチングは、今手元にある資金の中身を売買により変更することを言います。

例えば、指定運用方法商品を止めて、次月からは投資信託Aを買いたいという場合、iDeCoのマイページにて「配分変更(配分指定という運営管理機関もあり)」をします。配分変更の画面では、現在買い付けている商品情報があり、それをどのように変更したいのかを問う構成になっています。この場合は、投資信託A:100%と入力します。すると毎月1万円の積立をしていた場合、これまでは毎月指定運用方法商品が買い付けられていましたが、次月からは投資信託Aを1万円買い付けることになります。

仮に複数の投資信託を購入したいという場合は、投資信託A:70%、投資信託B:30%、合計100%と割合を指定して入力します。変更は何回でも無料でできますが、次月買い付け分の変更なので、反映される変更の締め切り日があるので確認しましょう。

配分変更はあくまでも次月からの買い付け商品の変更ですから、手元にたまっているお金の中身はいまだに指定運用方法100%、あるいは元本確保型商品100%です。つまり残高分には全く手がついていない状態なので、今度はスイッチングで動かしていきます。

スイッチングとは、今ある商品を売って、別の商品を買うという行為です。iDeCoのマイページから「スイッチング」を選ぶと、現時点で保有している運用商品毎の残高が表示されます。指定運用方法に○○口、○○万円という形です。例えば現在、定期預金が5万円あり、これを全部売却して投資信託Aを購入したいという場合は、定期預金を「全部」売却とし、購入可能な商品一覧から投資信託Aを選択し100%と入力します。もし複数の投資信託を買い付けたい場合は、配分変更と同様、割合を指定して購入します。

例えば企業型DCからの移換で50万円が元本確保型に入っていて、これを投資信託に変更したいという場合、一度のスイッチングで終了するのではなく複数回に「時間分散」する方が、高値づかみを防げます。その場合は、定期預金を「一部」売却し、投資信託を買い付けする作業を月に1回など予定をもうけて複数回繰り返します。

売却するものが元本確保型の場合は、買い付け日が古いものから並びますから、希望するものを指定して売却します。投資信託の場合は、口数を指定して売却します。操作方法が分からない場合やネットでの手続きに不安がある場合は、コールセンターにヘルプを要請しましょう。

配分変更と異なりスイッチングは、いつでも、何回でも可能です。売却をするものが投資信託の場合、「信託財産留保額」としてコストがかかる商品もありますので、あらかじめ確認しましょう。また売却した資金で新しい商品を購入するので、すべての手続きが完了するまでに数日かかります。運営管理機関のウェブサイトでは、詳細について案内がありますので、ご一読されることをオススメします。

配分変更とスイッチングはiDeCo独特の手続きですが、ほったらかしからの脱却の時にも使いますし、ポートフォリオのメンテナンス、いわゆる「リバランス」の際にも使います。またタイミングをみながら利益確定をして受取に備えるといった場合にも使いますので、ぜひマスターしておきたい技でもあります。

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