はじめに

今から始められる準備(2):不動産の所有者を確認しておく

家族で住んでいる自宅不動産の名義が誰になっているか、不動産の全部事項証明書を取得して確認しておくことをお勧めします。

不動産所有者には、毎年、4~5月ごろに、固定資産税課税明細書(納税通知書)が郵送で届きます。そこに不動産の情報の記載があるので、その情報をもとに法務局で不動産の全部事項証明書を取得して名義の確認を行いましょう。これは不動産の所在地が分かっていれば誰でも取得することができるものです。先祖代々続く家では、先代の名義のままということもあります。課税明細書(納税通知書)がない場合でも、住所から不動産の所在を探すことができます。

今から始められる準備(3):預貯金や債務に関する情報収集をする

本人には聞くことができなくても、送られてきた郵便物等がどの金融機関から来たものか、などは控えておくようにしましょう。プラスの財産以外に、マイナスの財産(借金等)があるかどうかも心配なところです。

ひとみさんは、父親に借金があるのではないかと思う出来事がありました。ただ、証拠がなく、どこにどのくらいあるのか、わからないということでした。このことに関しても、父親が話をしてくれないとどうしようもないことです。

父が亡くなった後に、高額な借金が見つかった場合には、「相続放棄」を検討することにもなりますし、「借金があるかもしれないが、探し出せなくて将来出てきたら心配」ということであれば、「限定承認」という方法もあるとお話をしました。

「相続放棄」は他の親戚に借金が移っていくシステム

「相続放棄」を行うと、その人は初めから相続人ではなかったことになるので、相続権が次の順位の人に移っていきます。つまり、ひとみさんのケースは、子供が全員相続放棄をすると、次は、父親の両親が存命であれば両親に相続権が移り、借金を負担することになります。父親の両親がどちらも亡くなっている場合には、父親のきょうだいに相続権が移り、きょうだいが借金を負担することになります。ひとみさんに聞いたところ、父親には姉と弟がおり、存命ということなので、もし借金が出てきたら2人で借金を背負うということになりかねません。

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