はじめに
ビジネスメールの書き方ひとつで、相手の印象は変わります。その中でも「件名」は、メールが未読のまま削除されることを防ぐためにも重要なポイントです。そこで、手紙コンサルタントの亀井ゆかりさんの新著『短いのに感じがいいメールが悩まず書ける本』から、スルーされないメールの「件名」のつけ方をご紹介します。
「件名」のつけ方で伝わり方は変わる
SlackやMicrosoft TeamsなどのチャットツールやSNSに慣れていると、件名をとばして送信してしまうことがありますが、たとえ大急ぎの時でも、ビジネスメールで件名を入れないことは大変失礼な行為です。さらに、件名のないメールはそのまま削除や迷惑メールの対象になる可能性が高いので、気をつけなければいけません。
もちろん、件名を入力すれば何でもいいということではありません。件名がいい加減なメールは、毎日多くのメールを受信する相手に、本文未読のまま削除される可能性があります。多くの人が「件名」で、そのメールを開くかどうかを判断していると考えたほうが良いでしょう。
また、後々にメールのやり取りを見直す際に、「件名」は、検索の目印になるということも念頭に置きましょう。受信ボックス内の件名をひと目見るだけで用件がわかるよう、簡潔かつ具体的な内容にする必要があります。一般的に、文字数にすると15~20文字以内に収めるのが良いとされています。
「おはようございます」「お疲れさまです」「ありがとうございました」とか「いつもお世話になっております」などの挨拶言葉や、「おしらせ」「ご連絡」「ご報告」「ご案内」など、曖昧な件名も不審に思われかねないので、避けましょう。
守りたい「件名」のマナーとして、何の用件か必ず明記すること、そして1つの用件に件名は1つ、つまり、1通のメールに用件は1つが基本ということです。事情があって複数の用件を書かなくてはいけない場合は、件名にすべての用件を書くようにしましょう。
返信の際の「件名」
メールを返信する際の件名については、内容が変更になって件名を変更しなければならない場合は別として、基本的には件名をそのままにして返信するのがマナーです。ただし、話題が変更になった場合は、件名もそれに一致するように変更して送信しましょう。
返信する際は「Re:」が件名の前に付きます。これにより相手には返信メールだということが一目瞭然となり、内容の管理ができますし、むしろ件名を変更すると、新しい案件かと相手に勘違いをさせる可能性があります。
ただし、メールソフトによっては、何度も返信を繰り返すと、「Re:Re:Re:……」と、返信の回数だけ件名の冒頭に「Re:」が表示されるケースがあります。このような場合は、肝心の件名が見えなくならないように余計な「Re:」を削除して、1つだけになるようにしましょう。
では、具体的にどのような件名にすればよいでしょうか。よくある場面ごとに見ていきましょう。