はじめに

申告のための準備

金額の大小を問わず、とにかく1月から12月までの年収を把握する必要があります。また、その収入をゲットするために支出した経費も集計します。

収入 ― 経費 = 儲け(所得)

その上で、収入を得る頻度や副業の割合などを踏まえて、「事業所得」か「雑所得」という所得の区分を決めて手続きを進めます。

例えば、収入が50万円でこれに対応する経費を30万円使ったという場合、収入から経費を引いて儲けが20万円と計算されます。年間50万円を得るために毎月4万円ほどの売上で1年間経常的に副業をしていたのなら、帳簿をしっかりとつけておくことで「事業」として営んでいると言えて「事業所得」として申告できます。ただし、事業所得とするためには税務署に「開業届」を提出する必要があります。基本的には開業日から1ヵ月以内に提出することになっていますが、遅れても受け付けてくれます。

一方、50万円を年に1回や2回ほどしか仕事をしていないというのなら「経常的」な事業とは言いにくいので、「雑所得」となります。雑所得として申告する場合は、1年間の収入の合計と、それに対応する経費の合計金額がわかれば申告書を作ることができます。経費の領収証などは5年間の保存が必要ですが、帳簿までつける必要はなく、合計金額が計算できていればOKなので、申告のハードルは低いですね。

事業所得として申告する場合、事業主として帳簿をつけておかなければなりません。青色申告なら「複式簿記」というキッチリとした簿記のルールに基づいた帳簿をつける必要があります。手間はかかりますが、その代わりに儲けから65万円を引いてくれる「青色申告特別控除」や、マイナスを3年間繰り越してくれる「繰越損失」など、税金が安くなる優遇制度があります。

白色申告の場合は簡単な帳簿でOKですが、優遇制度はありません。

青色申告で税金を安くしたいなら、開業日から2ヵ月以内、またはその年の3月15日までに「青色申告します」という申請書を税務署に提出する必要があります。この期限内に申請しなければ、はじめは白色申告で確定申告をすることになります。

令和5年の1月1日から青色申告にしたい場合は、令和5年の3月15日までに提出すればいいということです。今年から開業して青色にしたい、という方は期限を守って書類を提出しましょう。

青色申告の承認申請について、詳しい手続きの方法は国税庁のウェブサイトを、メリットについては過去の連載をご覧ください。

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