はじめに

都市部のマンションを中心に、住宅価格の高騰が目立つ一方で、ローンの固定金利上昇のニュースも気になるところです。今後の住宅購入について、考えが揺らいでいる人も多いのではないでしょうか。

「住宅、自分は買わないかもな…」「このまま、一生賃貸住まいかも?」と思った人は、ぜひ今のうちから対策しておきたいことがあるのです。

今回は、そのポイントを4つお伝えします。


1.「老後資金」を手厚く準備

持ち家がある場合は、住宅ローンを完済すれば、その後の住居費が大きく下がります。固定資産税と修繕費、マンションなら管理費・修繕積立金などはかかりますが、毎月の住宅ローン返済や家賃がないわけですから、気分が楽になりますよね。また将来、介護施設に入りたいと思った場合に、自宅を売却してその資金の一部にすることもできます。

ところが、持ち家がなく、一生賃貸の場合は、家賃の支払いが一生続きます。持ち家のように、固定資産税や修繕費などの必要はなく、引っ越しによって家賃を下げることもできますが、「一生家賃」になると、意外と大きなお金が必要です。仮に月5万円の家賃で老後30年間とすると、1800万円になります。また、介護施設に入る場合、売却できる持ち家のような資産がない場合は、貯蓄などでしっかり備えておく必要があります。

「老後の住まいなんて、まだまだ先だ」と思っていても、いざ老後を意識しはじめる50代、60代になってから、老後の住居費の重要性に気づいても、老後までの短期間で大きなお金を準備するのは大変です。

一生賃貸だと決めていれば、30~40代くらいから、老後の住居費について考え、しっかり準備していきましょう。

2. 将来自分が「受け取る年金」を確認する

仕事がある現役時代は、コンスタントにお給料が入ってくるため、住居費が大きな負担だとはそれほど感じないかもしれません。ところが、老後に仕事を辞めると、毎月の収入がいっきに減り、住居費の負担を感じるようになります。

年金か貯蓄を崩して、家賃を支払うことになりますので、「自分がどれだけ年金を受け取れるか」を確認しておくことをおすすめします。毎年、誕生月に「ねんきん定期便」がハガキや封書で届いているでしょう。ここには、これまでの年金加入期間や加入実績に応じた年金額(将来受け取れる予定の金額)が記されています。

ただし、50歳を境目に、金額の意味が変わることに注意です。50歳未満は、これまで納めた保険料に応じた年金額が記載されているため、イメージより少ないと感じる人が多いはずです。今後保険料を納め続ければ、年金額は増えていきます。50歳以上になると、実際に受け取る年金に近い見込み額が記載されます。

特に50歳未満の方は、このまま保険料を納めた場合にどれくらいの年金額になるのか、といった将来予測について、ぜひ「ねんきんネット」にアクセスして確認してみましょう。マイナンバーカードを持っている方は、マイナポータルからも、ねんきんネットにアクセスできます。

65歳からではなく、70歳まで受け取るスタートを遅らせた場合や、今後収入が増えた場合(または減った場合)に、どれくらいの受取額になるのか、といったシミュレーションも簡単にできるので、「老後に家賃を支払えそうか」も含めてチェックしてみてください。

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