はじめに

「定年」には、どういうイメージを持っていますか?

「定年後の働き方」についていろいろと考えたいと思っているけど、本音は「何をどう考えればいいのか、今ひとつよくわかっていない」という人が多いかも知れません。「再雇用が決まっているので、定年になっても、あまり変わらないのでは?」と、なんとなく流されながら定年を迎える人のなんと多いことか!(これは何人もの、定年前の人にインタビューした感想です)。

ところが実際には、定年前と後では、大きく違うのです。収入や仕事における役職などによる違いだけではありません。働くことの意義や意識、価値観、生き方まで変わっていくのです。リクルートワークス研究所「全国就業実態パネル調査」によると、仕事の満足度は定年後の方が満足している人が多いのです。人生の中でも「もっとも幸せな働き方」ができるのは定年後なのです。では、どうして定年後に「もっとも幸せな働き方」ができるのか、についてお話しをしてみます。


定年後は、正社員ではなくなる

「定年」とは何かを考えたことがありますか?

定年とは、その年齢に達することで、雇用契約が満了となることです。退職によって、その労働者がすべての身分を失ってしまうということでもあります。再雇用とは、一度雇用関係は終了して、もう一度雇用されることです。もちろんいままでの業績などの評価はありますが、それまでの身分などは、退職した時点でチャラになるわけです。新しく雇用されたのですから。給与も新しい雇用条件に変更されます。何よりも、正社員ではなくなるケースが一般的です。再雇用の場合、嘱託社員、契約社員になることが多いのです。これは正社員ではありません。

正社員と嘱託社員や契約社員との違いは何か?というと、法律的にはキチンとは定められていませんが、大きな違いとして雇用期間が決められていることです。嘱託社員の場合は、最長5年。契約社員の場合は最長3年です。そして、一般的に退職前に正社員として働いていたときよりも責務は軽くなります。

定年後は、「家族のため」「競争」から解放される

仕事の内容だけ見ると、まったく同じでも、定年前と定年後の働き方は、まるで違ったものになります。あまりの変化に戸惑うかもしれません。定年前と定年後の変化は、収入とか雇用形態だけではありません。家族の責任からも解放されるのです。

現役時代には、子どものため、家族のために働くということがありました。そのために、少しでも収入がよくなるように頑張って働いたのではありませんか。また、会社・仕事ではつねに競争にさらされていました。同期との競争もあるでしょう。部長までいけるのか、課長止まりなのか、それとも役員までいけるのか。という競争を常にしてきたのではないでしょうか?定年後は、その競争からは、退いたところにいます。もう、出世のためとか会社のためということを考えなくてもいいのです。こう考えるだけで、かなりストレスのない働き方ができるのではないでしょうか。

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