はじめに

ワンストップ特例制度とは

1月から12月までの1年間の所得が給与のみの方で、ふるさと納税の寄付先が5自治体以内の方は、「ワンストップ特例制度」を利用することで、確定申告をしなくても控除の手続きが完了します。

給与のみで年末調整をすることで所得税の処理が完了している方は、確定申告をする必要がないケースがほとんどなので、その確定申告の手間を省くための制度です。寄付先の自治体のうち1ヶ所でも手続きが漏れていた場合は、すべての自治体の寄付について確定申告で手続きをしなければなりません。

すべて手続きしたと思っても、ワンストップ特例制度の締切りは寄付の翌年1月10日必着ですので、どこか1ヶ所でも遅れてしまった場合は確定申告を行うことになります。郵送でギリギリになってしまった場合は、自治体に問い合わせして期限内に手続きが完了しているかどうか、確認しましょう。

自治体に確認した結果、間に合っていなかったですって? なんて……嘆かわしい!

いいえ、嘆いていないで、落ち着いて確定申告の準備をしましょう。大丈夫です、確定申告の期限は3月15日です。確定申告で「寄付金控除」という手続きをすることで、ふるさと納税に関連する少しの所得税が安くなり、残りの金額は2,000円残しで住民税から安くなります。

確定申告の準備資料

まず必要なものは、給与所得の源泉徴収票です。毎年1度もらうA4サイズの半分、つまりA5サイズの用紙です。この用紙に、給与の総額や所得税の計算をする時の控除の内容などがしっかり書いてあります。ないのは、年末調整で行うことができない「医療費控除」など一部の控除と、ふるさと納税を含む「寄付金控除」です。

これら、源泉徴収票に記載のないものについて資料を揃え、確定申告を行うのです。寄付金控除に必要な書類は、具体的には「寄付金に関する受領書」または「寄付金控除に関する証明書」が該当します。

「寄付金控除に関する証明書」は、自治体ではなくふるさと納税サイトで発行が可能です。国税庁長官が指定した特定事業者で発行することができ、「さとふる」「ふるなび」「楽天ふるさと納税」「ふるさとチョイス」など、有名ふるさと納税サイトはほとんどがこの証明書を発行することができる事業者として登録されています。この証明書は、これまで自治体ごとに発行されていた寄付金の証明書を、ふるさと納税サイトでまとめて1枚に集約して発行できるため、従来と比べると大変便利になりました。

証明書の発行は、XMLデータというデータ形式でダウンロードすることも可能で、XMLデータなら確定申告書を作成する際にe-Taxを使う場合は、そのデータファイルを読み込むだけで、詳細の入力をすることなく自動的に寄付の内容を読み込んでくれます。または、マイナポータルを連携されている方は、e-Taxとマイナポータルを連携させた上で、「e-私書箱」というポータルサイトでふるさと納税データを連携することで、e-Taxの入力時にe-私書箱からふるさと納税データを事前に読み込んで、確定申告書を作成することができます。

なお、e-私書箱を使ったマイナポータル連携を利用できるふるさと納税サイトは、さとふる・ふるなび・楽天ふるさと納税・ふるさとチョイスなど7サイトのみです。

マイナポータル連携は「ふるさと納税」だけではなく、生命保険や地震保険の控除証明や公的年金の受け取り(源泉徴収票)、株式などの特定口座年間取引報告書、住宅ローン控除についても連携が可能ですので、毎年年末調整や確定申告で添付する資料がたくさんある方は、これを活用すると毎年の手続きがかなり簡略化されます。なんて……喜ばしい!

ただし1枚にまとまる「寄付金証明書」の発行や「e-私書箱」との連携は、ふるさと納税サイトで集約するのに自治体とのやりとりがあるため、数日間の日数が必要です。証明書をまだ取得していない方は確定申告期限ギリギリに発行しようとすると申告期限に間に合わないことも出てきます。

期限を過ぎても税金が増えるわけではありませんが、早めに資料を取り寄せて、早めに申告の準備をしておきたいですね。早く申告しておくことで、還付が早く返ってきて「なんて……喜ばしい!」ですね。

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