はじめに
(2)人材、事業継承問題
超高齢化社会は、労働力人口が減少することを意味します。すでに人材不足は社会的な課題となってきていますし、後継者がいない企業も増えてきており、第三者承継を支援する政策なども打ち出されています。生産性の向上など、人材不足や事業継承の課題に、どのような対策をしていくかは中長期的に取り組む必要がありそうです。
人材関連の銘柄例として、まずはセルム(7367)を紹介します。同社は、東証スタンダード市場に上場していて、企業内研修や人材開発コンサルティングなどをてがける企業です。リーダーの育成や企業風土の醸成に優位性があり、研修は若手を対象としたものや中堅層向け、リーダー向けなど、企業のニーズに応じた支援を実現する対応力とフィッティング力に強みがあります。
越境型リーダーシップ研修のTEXを提供するほか、中国進出の日系企業および現地企業における次世代リーダーとミドルマネジメントの育成の支援なども手がけています。
銘柄の例としてもう1つ、続いてインバウンドの恩恵もうけそうな、クックビズ(6558)も紹介します。同社は東証グロース市場に上場しており、飲食・フード産業に特化した人材サービスを提供する企業です。飲食ブランドのFC本部として飲食企業の成長を支援したり、子会社を通じて飲食事業者と介護事業者向け、外国人特定技能人材の紹介・登録支援事業なども展開する企業です。支援してきた人材を起点とした事業規模の再拡大に向けた取り組みを加速させています。
また最適なソリューションを提供する採用総合パッケージの契約社数が今後も増えることが成長につながる見通しです。食×事業再生の取り組みも開始しており、第1弾として久一米田商店をM&Aしています。
そして事業継承やM&Aの関連銘柄も紹介します。日本M&Aセンターホールディングス(2127)は東証プライム市場に上場している、中堅、中小企業を対象としM&A仲介を行う最大手企業です。また、ストライク(6196)は、東証プライムに上場しており、全国の中小企業の事業承継や事業整理や事業再生、スタートアップ企業のイグジットなどのさまざまな目的のM&Aを手掛ける企業です。同社の運営する「SMART」というマッチングサイトは、業界の草分け的存在です。
今回は大きく医療・介護と人材・事業継承に分けて2025年問題を紐解いてみました。それ以外にも、高齢者世帯数の増加や住まいの問題などさまざまな問題がすでに顕在化してきています。
超高齢化が追い風となるような銘柄も、まだまだたくさんあると思いますので、よろしければこの記事を2025年問題について考える、また中長期的に成長できそうな銘柄を探すきっかけにしていただければ幸いです。