はじめに

利益率が改善した理由は?

第3四半期決算の決算説明書によると、シンプルに増収の影響が大きいようです。当然、売上増にともなう費用も増加していますが、原価率の低下により営業利益率が改善されているようです。ちなみに四半期ごとの原価率を計算してみると、4-6月64.2%、6-9月63.6%、10-12月54.7%と、たしかに原価率がかなり低下しています。

いまさらではありますが、原価は、モノやサービスを生産するためにかかる費用をさしますので、オリエンタルランドの場合は、施設内で提供されるグッズや飲食物の仕入れ価格が含まれます。当然、昨今の物価高で仕入れ価格は上昇しているでしょうから原価そのものは増加していますが、それ以上に売上がのびているため、原価率が低下ということでしょう。

オリエンタルランドの売上は、入園者数 × ゲスト1人当たりの売上高で計算されますが、どちらも増加しています。

画像:オリエンタルランド「決算説明資料」より引用

入園者数は当然として、1人当たりの売上高も上昇しているのは、価格転嫁できているから。実際、園内で食べたチュロス1本450円。これが夢の国じゃなければ、せいぜい2-300円といったところでしょうか? チキン1本600円、これも某有名チキン屋さんの倍の値段です。それでも買っちゃう、買わせちゃうのが同社の最大の強み。びっくりするくらい、ゲストみんながニコニコしながら、お財布のひもを緩めてしまうのです。

新たに台頭したマウントビジネス!?

久しぶりに東京ディズニーリゾートを体験し、新しいシステムにも驚きました。人気のアトラクションに並ばずに乗るためには、ひとり2,000円を払ってディズニー・プレミアアクセスという権利を買います。

わたしは、3時間待ちのソアリン:ファンタスティック・フライトのプレミアアクセスを家族3人分、6,000円を払って買いました。買うときはそれなりに覚悟が必要でしたが、買ってしまえば、待ち時間となったであろう3時間を自由に使える分、ほかの乗り物を楽しめ満足度が高まります。

なんといっても、長い行列を横目にサクっとアトラクションに乗れる優越感は、クセになりそう。今回は、ひとつだけでしたが、次回はショーを特等席で見るためのプレミアアクセスも買おうと考えています。

当然、プレミアアクセスは、1人あたりの売上高を押し上げますので、利益率は高まります。今後、さらに入園者数が増え、待ち時間が長くなると考えれば、プレミアアクセスを買う人はさらに増えるのではないでしょうか?

わたしのように一度、その優越感を味わった人は、おそらく毎回買ってしまうと思います。下世話とは重々承知ですが、まさにこれはマウントビジネス。オプションでお金をかけた人が、そうでない人に対して、ひそかにマウントを取り快感を得てしまう、おそろしいビジネスなのです。

画像:オリエンタルランド「決算説明資料」より引用

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