はじめに

■ 「厚生年金」加入者の場合

会社員や公務員など2階部分の厚生年金に加入する人のなかには、3階部分の年金(企業年金・確定拠出年金企業型・年金払い退職給付など)の受給が確定している人もいます。今より年金を増やすためにできる方法をご紹介します。

1:長く働き続けて昇給アップを目指す

厚生年金の加入要件は70歳までです。厚生年金に加入できる職場でなるべく長く働くことで年金額を増やすことができます。また、厚生年金は所得比例型の年金となるので、昇給すると保険料も多く納めることになりますが、その分、将来の年金額が増えることになります。

2:個人型確定拠出年金に加入する

「個人型確定拠出年金(iDeCo)」は、月々の掛金を拠出(積立)し、あらかじめ用意された金融商品で運用し、60歳以降に年金または一時金として受け取る年金です。加入できるのは、以下の人たちです。

<個人型確定拠出年金に加入できる人>
・国民年金加入者
・厚生年金加入者
※企業型年金加入者は企業年金規約において認められている場合に限る。
※企業型確定拠出年金に加入している場合、マッチング拠出を実施していないことと、規約において認められている場合に加入可能。

掛け金は、月額5,000円以上の1,000円単位で、上限は以下の通りです。

公務員月1万2,000円
会社員(企業年金あり)月1万2,000円・2万円
会社員(企業年金なし)月2万3,000円
国民年金加入者月6万8,000円(国民年金基金や付加保険料と合わせて)

注意していただきたいのは、加入は任意ですが、基本的に60歳になるまで引き出すことができないことです。

また、将来もらえる額は掛金と運用次第となり、運用は自分自身で行うため運用リスクを負うことになります。そのため元本割れのリスクがある点も、しっかり把握しておく必要があります。

それでも、掛金はもちろんのこと、運用益が出た場合は非課税になるなど税制面での優遇もあります。

ここまで年金を増やすための方法をお伝えしてきました。自分の加入する年金制度を理解し、自助努力で2階・3階部分の年金を育て、生涯受け取れる年金を今から準備しましょう。

また、今回お話した老後準備の方法は“健康で働けている状態”が前提です。万が一のリスクを想定し、セーフティネットとなる公的保障制度についても合わせて知っておくことも重要となります。

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