シリコンバレー銀行(SVB)破綻に端を発した金融システム不安は欧州に飛び火し、クレディスイスがスイスの大手銀行UBSによる救済合併を受けました。それでも市場の不安心理は収まらず、今度はドイツ銀行の経営不安が取り沙汰され同行の株価は急落しました。売り圧力はドイツ銀行だけにとどまらず、欧州の銀行株は軒並み大幅安となりました。
先週末のNY市場は欧州株安を受けて軟調に始まりましたが、終値では前日比プラスで引け、週明けの東京市場も3日ぶりに反発しましたが、上値の重い展開でした。株式市場では金融システム不安が拭い切れていない印象です。
市場はいったい、何を恐れているのでしょうか。それはおそらく市場自身もわからないのでしょう。「リスクは定義できればリスクでなくなる」という金言がありますが、まさに今の状況に当てはまる言葉です。「わからない」ということが、いちばん怖いことなのです。