はじめに

独身40代の平均貯蓄額は、936万円

では、独身40代はどのくらいの貯蓄をしているのでしょうか。金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査(単身世帯調査)2022年」によれば、657万円です。ただしこの金額は、貯蓄ゼロの人から1000万円以上の貯蓄がある人までを含めたデータの平均であることに注意しなくてはなりません。

実は、貯蓄がまったくない独身40代は全体の35.8%も占めており、その一方、1000万円以上の貯蓄をしている独身40代は20.1%。平均的な貯蓄金額がある人は20.8%しかいないので、決して実態を表しているとは言えない数字なのです。

平均値では、少数の高額資産保有者によって、大きく引き上げられることがあるので、実態を知るには、単純に合計を人数で割った平均値よりも、中央値を見ることが適切です。

中央値とは、数値の小さい人から大きな人まで並べた時、真ん中の人の値のことです。独身40代の、金融資産を持っている人の平均貯蓄額は1045万円、中央値は374万円です。

つまり、独身40代の64.2%は貯蓄をしており、金融資産は400万円ほどの人が多いのですが、その一方で貯蓄ゼロの人が35.8%もいる、という二極分化の状況になっているということです。

貯蓄をしている40代は、平均して手取り収入の16%を貯蓄しています。約4人に1人は25%以上を貯蓄していますが、約3人に1人は5~25%です。無理せず継続することが貯蓄のコツかもしれません。

独身40代女性の1カ月の支出額は平均18万4029円

では、続いて1カ月の支出の平均をデータから見てみましょう。総務省の「2019年全国消費実態調査」によると、40代女性単身者の1カ月の平均支出は16万2008円です。

そのうち、東京を含めた首都圏では家賃が大きなウエイトをしめます。公益財団法人不動産流通推進センターがまとめた「2022不動産統計表」によれば、東京の賃貸マンションの家賃相場は上昇傾向にあり、2022年3月の調査では、ワンルームの家賃平均は7万4363円(6万5131円~8万3594円)、1LDK~2DKの家賃平均は10万9931円(9万5017円~12万4846円)となっています。

月の手取りが26万円で、ワンルームマンションの家賃が7万4000円なら、4分の1を少々超えますが、なんとか支出できる範囲と言えるでしょう。

1カ月の消費支出の割合は、両調査をもとにして考えてみると、次のようになります。

計算の通りであれば、毎月約10万円の黒字。すべて貯蓄にまわすなら年間で120万円になります。

貯蓄分からは、毎月の家計支出ではまかないきれない支出に使います。たとえば、エアコンや冷蔵庫などの大型家電などの購入資金や、旅行、資格試験のための勉強代などが考えられるでしょう。

このような短・中期の期間を見据えた支出の他に、長期の時間軸で考えて、老後のための貯蓄をしておく必要もあります。

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