はじめに
金利上昇し始めた
超低金利の恩恵を受けている日本の不動産投資の状況ですが、ここにきて少し環境が変わってきました。銀行の融資を決める基準になっている金利は2つあります。
(1)日本国債の金利 (※主に新規に借りる固定金利に影響)
(2)政策金利 (※主に変動金利に影響)
これらの金利が上昇すると、不動産投資の融資の金利や住宅ローンが上昇します。ここの所、この2つの金利が上がるのではないかと予想されています。
日本国債の金利上昇
現在、日本銀行はYCC(イールドカーブコントロール)という金利操作の政策を行っています。日本国債10年物の金利が0.25%以上にならないように、日本銀行が無制限に国債買い入れて金利上昇を強制的に防いでいたのです。
しかし、2022年12月20日(火)に日本銀行がYCCの無制限買い入れの金利を0.25%から0.5%に変更しました。この変更により、日本国債の10年物の金利が、0.5%くらいまで上昇したのです。その影響で、新規に入る固定金利が上昇を始めています。実際に新規に入る住宅ローンの固定金利も上昇し始めています。
フラット35(35年の固定金利)の金利は、1年前の約1.3%から、約2.0%まで上昇しています。
画像:フラット35「サポートニュース(3月号)」より引用
今後、YCCが撤廃される可能性もあると予想されています。もし撤廃されると、もっと金利が上昇する可能性もあるでしょう。(もちろん金利が下がる可能性もあります)
政策金利が上昇する可能性も
一方で、日銀が決めている政策金利はマイナス金利を維持しています。マイナス金利の目的は、市場にお金をもっと流通させて、インフレ(物価上昇)を起こしたいという目的から行っています。しかし足元では急激に物価が上昇しており、マイナス金利を撤廃し政策金利の利上げを行う可能性も予想され始めました。
皆さんも「物価が上がった」とか、「食品が値上がりした」「光熱費も上がった」など、実感されたりニュースで見かけているのではないでしょうか?
インフレを抑えるためには、お金の流通量を減らす必要があり、そのために政策金利を上げる可能性が示唆され始めているのです。今後にマイナス金利が解除されるかどうかの予想は困難ですが、もしマイナス金利が解除され政策金利が上昇すると、変動金利が上昇するでしょう。そうなると、住宅ローンなどが上昇していき、かなり大きな影響になるかもしれません。
私を含め、多くの不動産投資家が変動金利で融資を受けています。もし政策金利が上昇したら、少なからず影響を受けるでしょう。