はじめに
冬から春へと一気に季節が移り、「着る服がない〜!」なんて言いながらも、お出かけするのがなんとなく楽しい……そんな風に感じているのは、わたしだけではないのでしょう。ここのところ、一気に人出が増えたように感じます。コロナ前によく見た、渋谷のスクランブル交差点で外国人観光客がスマホで撮影する、といった光景も戻ってきました。
株式投資をする上で、わたしが最も大事にしているのは“肌感”です。ゴリゴリのデータ分析派の投資家の方からすると、なんとも曖昧で頼りなく感じるでしょうが、案外この“肌感“頼りの投資法も捨てたものではありません。
つまり、話を戻しますと、アフターコロナで外出頻度が一気に増えたことで、確実に業績を回復する企業があるということです。もちろんアフターコロナ銘柄と言われる、百貨店、飲食店、カラオケ店、テーマパークなどはすでに物色されていますが、もっと粒度を細かくして観察することで見えてくるテーマもあります。
街行く人を眺めていると、外出先にマイボトルを持ち歩いている方が非常に多い! 節約志向やエコを意識している影響かもしれませんが、これから暑くなってくると、さらに外出先での水分補給はマストになりますから、ますます需要は高まりそうです。
減益着地でも株価上昇の象印マホービン
マイボトルといえば、真っ先に浮かぶのが象印マホービン(7965)です。タイミングよく先日、4月3日(月)に2023年11月期の第1四半期決算を発表しました。決算短信を見てみましょう。
画像:象印マホービン「2023年11月期 第1四半期決算短信〔日本基準〕(連結)」より引用
①売上高27,128(百万円)、②前年同期比+2.4%、③営業利益3,525(百万円)、④前年同期比 △11.4%と、減益着地となっています。ところが翌日の株価は4.77%も上昇。東証プライム市場の値上がり率ランキング上位に食い込むほどの好反応でした。
減益着地でも株価が上昇するのは不思議に感じますが、その理由は以下の2つです。
1、もともと減益着地は想定内だった。
2、通期予想に対する進捗率が高い。
通期予想を見ると、⑤営業利益3,900(百万円)⑥ △16.4%とそもそも減益予想ですので、第1四半期決算での減益着地は、ある程度予想されていたと思われます。
画像:象印マホービン「2023年11月期 第1四半期決算短信〔日本基準〕(連結)」より引用
通期予想3,900(百万円)に対する営業利益の進捗率は90.3%! 残りまだ9ヵ月あるのに、すでに最初の3ヵ月でほぼほぼ利益予想を達成していることになります。これが株価を押し上げた大きな理由でしょう。
会社は予想を修正していませんが、今後どこかのタイミングで上方修正する可能性はかなり高いと読んでいます。いったい何が好調だったのでしょうか?