はじめに

「貯めよう」と頑張りすぎていないか

仕事にプライベートにと、やることが多く、忙しい毎日でしょう。

そんななか、「お金を貯める」という項目を増やすことで、逆効果になるケースがよくあります。

「やらなくては」と思うことが増えると気持ちがキャパオーバーになり、自炊する心の余裕がなくなり、少し高めのテイクアウトをして食費が増える…ということにつながりかねません。

そこで、「貯めよう」とわざわざ思って行動しなくてもすむように、「先取り貯蓄」で、先にお金を貯めて、残ったお金を使うというサイクルがおすすめです。

自動的に先取り貯蓄ができる方法として、給与天引き(勤務先に財形貯蓄や社内預金があれば)か、銀行の自動積立定期預金に申し込むか、がよいでしょう。

月1万円、2万円、などと決めて申し込めば、あとは何も頑張らなくても、毎月自動的に貯まっていきますし、「貯めなくては」という気持ちから解放されます。

必要なものを「過剰に」買っていないか

「特に欲しいものを買っていないのに、お金が貯まらない…」。

そう感じる人は「過剰に買い物をしていないか」も、チェックしてみましょう。

例えば、「2つ以上買えば、2つめ以降は20%オフ」というお知らせがあったら、どうするでしょうか。2つも3つも4つも買って、棚の奥にしまい込んではいないでしょうか。

確かに、いつも使うものなら20%オフで買えることはうれしいものです。でも、棚がいっぱいになり、何があるかよくわからずに、まとめ買いしていたことを忘れ、だいぶたってから「15%オフ」という情報につられて2つ買って帰ったら…実は棚の奥に、古いものがあった! なんて経験はないでしょうか。

必要なものでも、過剰に買ってしまうと支出オーバーになり、結局はお金が貯まりません。

収納スペースにも限りがありますし、モノであふれると、自分の持っているモノを把握しきれなくなるので、「収納スペースを考えて買うこと」「ある程度使い切る目途がたってから次を買うこと」を意識してみましょう。

不安が先行して、お金を払いすぎていないか

不安な気持ちになると、それを払しょくするために何か行動に出ようとするものです。「お金が貯まらない」と嘆く人の中には、その代表的な行動として「保険」に入りすぎているケースがよくあります。

「がんは2人に1人になる時代だし」「入院すると高いお金がかかると聞くし」といって、公的な社会保障を調べないまま、保険にたくさん入り、保険料を多く払っているのです。

保険料は、毎月払う「固定費」になりますので、多ければ多いほど、毎月自由に使えるお金が少なくなってしまうので、しっかり確認したい支出です。

例えば、医療費が不安なら、収入などに応じて、医療機関に支払う上限額が決まっている「高額療養費制度」もありますので、(健康保険適用の医療費なら)自己負担額は思った以上に多くはありません。掛け捨てで、安い保険料の医療保険に入るのは個人的にはよいと思いますが、貯蓄型で毎月数万円もかかる医療保険の場合は、入りすぎかもしれません。

その前に、そもそも加入している保険の内容がわからず、何か起きたときに保険を請求できない状態の人もよく見かけるので、要注意です。毎月支払う保険料は、積み重なると大きな支出になります、

自分は何が不安で何に備えたいのか、その場合公的な保障はあるのか、貯蓄でカバーできないかを考えたうえで、保険を考えるようにすれば、必要以上の保険に入って、保険料が家計を圧迫することも防げるはずです。

今回は、「自分はお金が貯まらない」とあきらめる前に、チェックした項目についてお伝えしました。「自分には貯蓄は無理だ」と嘆いている人でも、よくよく支出の内容や生活習慣を見てみると、見直しできる余地があるものです。ぜひ、確認してみてください。

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