はじめに
“いつものお金”のスリム化を考えよう
では、自分の「いつものお金」について注目してみましょう。
必要経費ともいえるこのお金は、普段当たり前のように使っているお金です。
このお金をある程度まで減らすことができれば、“特別なお金”を増やすことができ、生活の質アップにもつながります。「いつものお金」が最低限どれくらいあれば、不快感なく生活していけるのかを見ていきましょう。
家賃は、どこまで下げることが可能でしょうか。引っ越しをしてまで家賃を下げたくない人も多いかもしれませんし、すでに超低金利の住宅ローンを返済中で、見直しの余地がない人もいるかもしれません。
でも「都心からやや離れたエリアでもいいな」「駅から徒歩5分のマンションでなくても、バスを使ってちょっと遠いところでもいいかな」などと考えると、家賃を下げることも可能かもしれません。
また、スマホ代を下げる余地はありそうでしょうか。同じキャリアでも格安プランに乗り換えることで月5000円ほど下げることも可能ですし、使わないオプション(留守番電話やかけ放題など)をカットすることで、数百円カットできるかもしれません。
食費については、ぎりぎりまで食費を抑えるという意味ではなく、例えば食品ロスを減らしたり、忙しくて自炊できないときは、ごはんだけ炊いておかずを買って帰ったりなど、無理なく少し抑えることが可能かを探ってみましょう。
保険料も改めて見直してみて、万一の時に公的保障や勤務先からの手当などを把握したうえで、必要な保険はどれくらいかと考えてみます。
そうすると、「いつものお金」がどんどんスリム化できるはずです。
“いつものお金”が減れば、“特別なお金”と“貯蓄”が増える
そうして「いつものお金」をスリム化できれば、同じ収入でも“特別なお金”と“貯蓄”に回すお金を増やせます。
また、いずれ年金生活になったときでも、生活に最低限必要な「いつものお金」の金額がわかっていれば、あとは楽しむためのお金として毎月いくら上乗せしたいかを考えながら、老後資金の計画が立てられるでしょう。
「いつものお金」を減らすことができれば、「特別なお金」にお金を回して、日々の楽しみを増やしたり、自己投資をして収入アップを目指したりと、よりよいお金の使い方ができるようになります。また、貯蓄に回すお金も増やせるので、将来自分がたくさんお金を使いたいと思ったときにも、助けられるはずです。
今回は「いつものお金」と「特別なお金」の2つに分けて、「いつものお金」をスリム化することの大切さをお伝えしました。物価上昇で生活を圧迫する中、節約をしようと、つい「特別なお金」を減らしがちですが、それでは生活の質が落ちてつらくなってしまいます。
まずは「いつものお金」に目を向けて、少しでもスリム化を目指してみてください。