はじめに

改正道交法により自転車を利用する場合、全年齢でヘルメット着用が努力義務となりました。罰則はないものの警察では、事業所や自治体、学校などを中心に働きかけをしています。万一事故にあった場合、ヘルメット着用していなかったら、保険は支払われるのか検証してみました。


努力義務規定とは?

努力義務規定とは、「ヘルメットをかぶるように努めなければならない」という規定で、法的な拘束力はありません。義務規定には罰則がある場合もありますが、努力義務規定には、原則罰則はありません。とはいえ、かぶらなくてもいいということではありません。

警察署HPの情報によると、平成30年~令和4年までの自転車事故による死亡の損傷箇所は、約6割が頭部です。また、ヘルメット着用に比べ、不着用の致死率は2.1倍と明らかにリスクが高いことがわかります。

保険金の支払いはどうなる?

■自損事故の場合
自転車乗車中、誤って転倒、壁などに衝突など、自分でケガをしてしまったというような自損事故の場合は、どうでしょうか?

傷害保険や医療保険では、被保険者の故意や重大な過失・精神障害・泥酔状態・運転資格を持たずに運転中などが原因の事故ですと、支払事由に該当しても保険金を支払わないと規定しています。しかし、ヘルメットの不着用はいずれにも該当しないため、ヘルメットの着用有無は保険金支払いに問題ないでしょう。

保険の種類としては、傷害保険、医療保険などが対象になります。ケガの状態、通院入院により、加入している保険の保障内容に合わせお支払いとなります。

■賠償事故の場合
自動車の運行中における事故で、相手に対する補償は、自動車保険の対人賠償で支払われます。対人賠償に関する規定には、保険金を支払わない場合がいくつか挙げられています。

戦争・内乱などの暴動、地震・噴火・津波による場合、台風・洪水・高潮による場合などが原因の事故の他に、保険契約者や補償の対象になるひと(記名被保険者)の故意による事故が、支払われない場合に挙げられています。

この規定から考えると、ヘルメットを着用せず、わざと自動車に飛び込んでいくような事故でない限り、損害賠償金が減額されることはないでしょう。

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