はじめに

3.「老後の住まい」をチェック

老後になったときに、大きな負担に感じることが多いのが「住居費」です。それ以外の支出は、ある程度セーブできますが、住居費は急に下げることが難しい支出です。

特に、賃貸住まいの方は、支出のうち大きな部分を占めることになります。ずっと賃貸住まいのつもりであれば、65歳から95歳の30年間ぐらい、家賃を払い続けることになります。家賃5万円だとしても、5万円×12か月×30年分=1800万円にものぼるので、現役時代にしっかり準備しておく必要があります。

一方、持ち家で住宅ローン返済中の人なら、老後も返済が必要かを確認してみてください。大きな返済額が残っていると大変です。定年前に、少しずつ繰り上げ返済ができないか、計画を立てましょう。

とはいえ、どんどん繰り上げ返済にお金をまわして、手元のお金がなくなり、例えば子どもの教育資金が必要になって、教育ローンを組むことになっては、非常にもったいないことです。お子さんがいる方は、教育費として使う予定のお金は、必ず取っておきましょう。

また、将来的に実家に帰る予定がないかも確認しておくことがおすすめです。もし、その予定があれば、老後の住まいがある程度確保されますので、安心感につながるでしょう。

4.「退職金」を調べてみる

会社員の方で、自分が退職金をいくらもらえるかを知らない人は、多いのではないでしょうか。そこでぜひ、退職金の目安もチェックしておきたいところです。

職場の親しい人で、最近定年退職をされた方でお金の話をできそうな間柄の方がいれば、聞いてみるのも手ですし、なかなかそういう間柄の人がいなければ、人事や総務などに聞いてみるのもおすすめです。

「老後までのマネープランを立てていて、退職金の目安を知りたいのですが…」と伝えれば、それほど不思議には思われないでしょう。退職金がそもそも0円の会社もありますし、数千万円もあるケースもあります。

退職金の有無や金額は、老後資金の準備に大きくかかわりますので、ぜひ目安をチェックしておきましょう。

5.iDeCoを月1万円で始めてみる

収入があって、税金を納めている方なら、老後資金として特にお得に準備できるのがiDeCoです。毎月の積立額が、全額所得控除といって、収入から差し引かれるため、その分の税金がお得になります。また、利益が出ても約20%の税金がかからない点も魅力です。

ただし、iDeCoは60歳までは原則現金化ができません。積みたてにまわしたお金を60歳まで使わなくてよいと思えるお金があれば、早いうちから始めてみるとよいでしょう。ただし、iDeCoは独自の手数料がかかるため、できれば月1万円以上で始められるとベターです。

60歳まで現金化できないのがとても不安だと感じる場合は、つみたてNISA(来年から始まる新NISAなら、つみたて投資枠)で投資信託を積み立てていくのもよいでしょう。NISAなら、いつでも売却して現金化できます(ただし、老後資金以外の用途で使ってしまうことには注意が必要です)。また、利益が出ても約20%の税金がかからないメリットも享受できます。


以上、「老後が不安!」だと思っている人が取り組みたいことを5つに絞ってお伝えしました。まずはこの5つ全部に取り組んでみれば、かなり気持ちが楽になってくるはずです。不安だと思ったままにして、無駄なストレスを抱えることのないよう、ぜひ試してみてください。

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