はじめに

企業が個人投資家に自社株を売りたい状況を背景に、かつてないほどの充実と盛り上がりを見せている「株主優待」。前編では、「ポイントは消費者目線!個人投資家の生きる道」と題して株主優待の魅力をお伝えしました。後編では、カブドットコム証券株式会社で投資アナリストとして活動し、自身も株主優待マニアの藤井明代さんに、一押しの優待銘柄ランキング・ベスト5をご紹介してもらいます!


一押し優待銘柄ランキング・ベスト5/ベスト4

藤井:5位は「小林製薬(4967)」。4位は「コロワイド(7616)」です。「小林製薬」は、CMでもよく見かける芳香・消臭剤分野の業界首位です。年2回5,000円相当の自社製品とオンラインショップの10%割引券がもらえますが、実はインバウンドの恩恵も受けている企業です。

訪日中国人が日本に来たら買うべき「12の神薬」の中に5つも小林製薬の製品が入っており、追い風となっています。株主への配当を16期連続で増やしているのも、好調といえる要因です。

4位の「コロワイド」は、居酒屋「甘太郎」やパスタ・ピザの「ラ・パウザ」など、多岐にわたる飲食店を展開する人気銘柄です。優待がもらえるのは500株以上の保有になりますが、年2回、株主優待カードのポイント10,000ポイント(1ポイントで1万円相当)が付与されます。

株主に占める個人株主の比率が78%と非常に高く、株価が安定しやすいのもポイントですね。

一押し優待銘柄ランキング・ベスト3

藤井:第3位は「ANAホールディングス(9202)」です。国内の一区間の料金が50%割引になる株主優待は、飛行機を利用する個人投資家に根強い人気です。直前予約での適用や、プレミアムクラスも優待割引が適用可能です。

また、自社グループの優待券も受け取れますが、ANA FESTAやANA DUTY FREEショップの10%割引や宿泊施設、国内旅行の割引など幅広く使えます。近年、羽田空港では国際線を増便していますが、2015年現在、羽田発着枠が競合他社よりも多い点にも可能性を感じます。

一押し優待銘柄ランキング・ベスト2

藤井:第2位は「オリエンタルランド(4661)」です。入園者数・世界屈指の東京ディズニーリゾートを運営している会社です。ここ数年、連続して行ったチケットの値上げが売上に寄与し、業績好調です。また、今後の設備投資にも積極的です。2015年に1対4の株式分割を実施しましたが、実質的に優待が拡充され、分割後も100株保有から優待を受けることができます。

気になる優待の内容は、1DAYパスポート。併せて長期保有優待制度も新設し、こちらは5周年ごとにアニバーサリーパスポートを配布予定となっており、長期投資の個人投資家が増えるプラス要因となりそうです。

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