はじめに

コロナ禍で広がったフォトウエディングは?

市場自体がシュリンクする中で、逆に拡大しているのが、フォトウェディングです。コロナ禍で結婚式はできないけれど、せめてプロのカメラマンに一生の記念となるウエディング写真を、と撮影するカップルが急増しました。

フォトウェディングサービスを主軸事業とする、デコルテ・ホールディングス(7372)の決算を確認してみましょう。

画像:デコルテ・ホールディングス「2022年9月期決算短信〔IFRS〕(連結)」より引用

2022年11月4日(金)に発表された2022年9月期決算は、①売上高5,322(百万円)、②前年同期比+15.9%、③営業利益1,377(百万円)、④前年同期比+58%。対象期間は、2021年10月1日(金)から2022年9月30日(金)なので、コロナ禍の真っ最中です。前期2021年9月期の営業利益も⑤前期比109.2%と倍以上の伸びなので、コロナ特需が追い風だったと考えられます。この流れはアフターコロナでも続くのでしょうか?

直近発表された2023年9月期第2四半期決算の決算説明書によると、結婚式を行わない「ナシ婚」層の増加にともなって、写真だけは「撮る」婚が増加傾向にあります。

画像:デコルテ・ホールディングス「2023年9月期第2四半期決算説明資料」より引用

同社は、このナシ婚層の取り込みをはじめ、たとえば「旅行×フォトウエディング」や、「家族×フォトウエディング」など、フォトウエディングにプラスαのサービスを提供することで、さらなる市場開拓を進めていく計画です。

このようにウエディングニーズは多様化しており、婚礼数は減少するものの工夫次第で伸びていく企業もありそうです。

ウエディング業界で生き残りの鍵は?

婚礼数が減少する中で、従来通りのウエディングサービスを提供するだけでは生き残れないウエディング業界。最近は、アパレル企業など異業種からの参入もあり、ますます競争は激化しています。今後、生き残りの鍵となるのは、いかに魅力あるウエディング+αを提供できるかでしょう。

たとえば、テイクアンドギブ・ニーズは、ブティックホテルと呼ばれる小粒で個性あるホテルの運営に力を入れています。わたしは、当社が運営する渋谷のTRUNK ホテルのラウンジをよく利用しますが、オシャレでとっても居心地がよい空間で、施設内にあるオープンテラスのレストランでウエディングなんて素敵だろうなぁと妄想してしまいます。

株価は、リベンジ婚期待で2021年前半から2022年上期まで上昇基調でしたが、その後、失速しています。

画像:TradingViewより

コロナ前に売上利益が回復していないことが、投資家には歯がゆいのでしょう。折りしも6月ですから、ジューンブライド復活を期待して、次の決算を待ちたいところです。

※本記事は投資助言や個別の銘柄の売買を推奨するものではありません。投資にあたっての最終決定はご自身の判断でお願いします。

この記事の感想を教えてください。